読書
今日は土用の丑の日だったらしいとニュースで知った時はすでに遅しで昼飯でも夕飯でも「う」のつくものを食べなかった、これまで気にした事はないんだけど。ニュースでは当然鰻が話題になっていて、これは平賀源内が作り出したと知っていたが改めて調べてみ…
村井理子の本は自分の仕事ぶり、日々のこと、家族とのあれこれ、認知症の義母の対応、理解できない義父とのあれこれなど、まさにストレートな日記でおもしろかった。ようけ仕事しているな、興味の範囲も近いのだがこの人の訳書はそれほど読んでいないので、…
ワシントン・ポーシリーズ*1のM・W・クレイブンの別シリーズの一作目。ある任務で脳を負傷した際、恐怖の感情を失った男が主人公で、ポーとは違ってイリーガルな方法も厭わない。これまた分厚かったのだが、ぐいぐいと読み進んだ。「恐怖の感情がない」を表…
このタイトルで帯には《炒飯の名手にして一流のスナイパー》とあれば炒飯が躍動する事を期待しないわけにはいかないであろう、台湾のハードボイルド・スリラー。緊迫感ある狙撃の瞬間、引退間近の刑事の東奔西走、蠢く陰謀、友情・恋愛・家族愛がもつれる中…
表題作に触れる前に、前作の『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社)にまず触れておくべきだろう、読んだのに感想を書き忘れていた。評判を聞いて図書館で借りたが、ちらっと読んだだけでのめり込んだので改めて自分で購入し…
一度読み出したらぐいぐいと読めるのが本というもので、何冊か立て続けに読み終えた。昔はいちいち読んだ本をメモし、感想も書いていたのだが、いまはその気力がわかない。書いた方がいいんだけどなと思いつつ何を読んだかだけ並べておきます。あえて言えば…
蓋がない - 不発連合式バックドロップ 上の日記の最後に《さらにいくつか取れてしまったらさすがに面倒になるだろう、その時までに解決法を考えたい》と書いたのだけれど、実は結構前にさらに二つほどのパーツが取れてしまい、結果的にいま蓋が三つある状態…
Twitterで「あなたが一番怖ろしかった本」というタグがあって、ほうほうと他の人の挙げる本を眺めながら、自分だったら何だろうとしばし考えて出てきたのが、新井素子『ひとめあなたに…』だった。どういう経緯だったか姉から勧められて読んで、一読ビックリ…
一昨年末あたりにエレクトリック・マイルスをいいなと思うようになってから楽しめるジャズ(というか音楽全般)の幅が広がったように思うのだが、まだフリージャズは手を出したり出さなかったりしている。オーネット・コールマンや後期コルトレーン、あとは…
今シーズンも布団乾燥機のお世話になった。まだ寒い夜があるそうなので少し登場はするだろう、湯たんぽは出番を終えた、有難う。我が家の布団乾燥機は一回で一つしか対応できないので、だいたい私が風呂から出た後に私→カミさんの順番で温める、カミさんの方…
あれからいくら年月が経っても、いや、年月が経てば経つほど、その創造性、革新性はより輝いていった。鳥山明の漫画やイラストを知らなくても、もしかしたらそれらが好きではなかったとしても、その影響を受けた作品や作り手には絶対に触れているであろう、…
前にも書いたと思うが、本屋で本を買う際はほぼ必ずその店の紙のカバーをしてもらう。読み終えてから、余韻と共にそれを剥がすのが楽しみなのだ。積まれている本にはカバーがかかっていて、何がどの本なのかわからないのではと言われそうだが、なんとなくは…
文庫をポケットに入れて - 不発連合式バックドロップ この日記を書いてからひと月ほど経ったが文庫ブームはまだ続いていて、いまやジャンルではなく「文庫を読みたい」にまでなり、積んである本も文庫だけ前に出したり、文庫本を中心に買ったりしていて、だ…
柳本尚規「プロヴォーク: 中平卓馬をめぐる50年目の日記 』(読書人)を読んだ。タイトル通り、写真同人誌『プロヴォーグ』制作の裏側を、特に中平卓馬の側から関わっていた人物の回顧録で、「日記」としながら×月×日形式ではないのはなんだが、多木浩二、岡…
たまたまだが文庫本を読んだり持ち歩いたりする機会がしばらくなくて、久々に先日から文庫を読み出して持ち歩くようになったのだが、便利だな、本当にいまさらの話だが。それなりに分厚さがあっても問題なく持ち歩ける、冬だったらコートのポケットに突っ込…
アルテュール・ブラント『ヒトラーの馬を奪還せよ』(筑摩書房、安原和美訳)。帯の「事実は小説よりも奇なり」を地でいく美術ノンフィクション。戦火で失われたはずの「ヒトラーの馬」が見つかった、果たして本物なのか贋作なのか、そして一体誰がどこに置…
寒くなってきたので風呂がいよいよ気持ちよくなってきた、冬の風呂はいい、年々好きになっていくーーといった事が描かれていたのは高野文子『るきさん』だったはずだと風呂上がりに本棚から出して確認をした。持っているのはちくま文庫版、いつ以来だろう、…
文豪たちの名作をミニサイズで再現!ガシャポン「豆ガシャ本 新潮文庫」が登場!芥川龍之介『羅生門・鼻』や宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』など全6種類を収録! | 電撃ホビーウェブ ガチャガチャは基本的にやらないのだが(やりたいのにやらないのではなく、…
菊地成孔のメールマガジンをとっているにもかかわらず、それを元にした『戒厳令下の新宿 菊地成孔のコロナ日記 2020.6-2023.1』(草思社)*1を買って読んでいたら*2、そういえばDC/PRGの20周年ツアーライブのCD-BOX(七枚組)を買っていたのを思い出した。数…
《過去この日記でジャニー喜多川について何か言及しただろうかと思って検索してみた》と書かれた日記を読んで、自分でもこの日記でやってみたが一つもヒットせず、ジャニーズに言葉を変えて検索してみたらいくつか出てきたものの、「ジャニーズのコンサート…
いしいひさいちの新たな傑作 - 不発連合式バックドロップ いしいひさいちの『ROKA』がすばらしい傑作である事は書いた通りだが、その続編が出た。『花の雨が降る ROCAエピソード集』、続編といっても前作の続きではなく前作の隙間を埋める話ばかりで、そうす…
副題は「『ピーナッツ』で読みとく現代史」、今井亮一訳。版元は慶應義塾大学出版会で、大元は論文なので堅苦しい本なのだろうと予想しながら手に取ったら、存外読みやすく、作品をそれなりに知っているのもあってぐいぐいと読み進んだ。ずいぶん前から『ピ…
昨年発売された時に買って、枕元に置いて寝る前にチビチビと少しずつ読み進め、ようやく読み終えた。遅くなったのは内容がいいから。それぞれ短い章にわかれており、それらを一日に何個だけじっくり読む。料理はその土地のものであり、歴史であり、変化であ…
『映画の奈落』『無冠の男 松方弘樹伝』などの伊藤彰彦による、ヤクザの語源から最近のヤクザ映画までを分析する事で透けて見えてくる日本近現代裏面史。取材もしっかりしていて、筆も乗っていて、抜群におもしろくて、労作にして名著ではないか。新谷学編集…
難儀な二人がバディとなって事件解決する北欧ミステリ『闇の牢獄』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ これを読んで早速購入し、ズイズイズイと読み進めた。著者本人もそのつもりで書いたそうだが、いわゆるホームズ/ワトソンの派生コンビで、歪なところもあ…
『音楽は自由にする』の続編にして最後の語り下ろし自伝、聞き手は鈴木正文。『新潮』連載時に一回ほど読んだが、これはまとめて読むべきだなと待っていたら、教授が亡くなってしまった。本人もそれを見越して始めたのだろうが、葬式のプレイリストを作成す…
クエンティン・タランティーノの監督第九作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のノベライズ小説である。翻訳は田口俊樹。何せ映画が大好きで、だらだらと四回も感想を書いたほどなので*1別にノベライズを読まなくてもなぁと思っていたが、書…
新垣結衣主演でヤマシタトモコのマンガ「違国日記」が実写映画化、監督は瀬田なつき(来年公開) - 映画ナタリー よく「待望の××化」と言われるが、本当に待望している人がそれほどいるのだろうか。ともあれ、漫画であれ小説であれ、実写であれアニメであれ…
ある本と雑誌数冊ほど欲しかったのだが重いし雨が降るしで、地元の本屋で買えばいいだろう、たぶんあそこならあるはずだと考えていたら、まさか本屋が開いている時間に帰られないとは思わなかった。まぁ明日でいいだろう、新刊だしなくならない。そういえば…
何度か書いているように最近ジャンル問わず音楽を聞いていて、そこには当然クラシックも含まれており、誰がいいかと著名ピアニストを調べた際に名前も知ってその後何枚か聞いてもいた(ほとんどモーツァルトだった)フリードリヒ・グルダの自伝『俺の人生ま…