不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

読書

メメント・モリ/五年遅れたおかえりなさい

私は今、何を描こうというあてもなしに、これを書き始めた。こんなふうにして書くのは初めてだ。 右にいま題名を掲げたが、最初に浮かんできたのは、この言葉だった。 メメント・モリ。 原田宗典が覚醒剤と大麻の所持で逮捕されたのは二〇一三年九月で、その…

水は海に向かって流れる/人が海に戻ろうとするのが涙なら

ずっとだらだら続いてほしかったような、スパっと終わったのが好ましいような、何にせよいつの間にか始まっていつの間にか終わっていた田島列島『水は海に向かって流れる』(講談社)の完結巻である三巻が出たので読んだ。二巻の感想で《やや特殊な人間を描…

舎弟たちの世界史/スマートフォンから指を離して聞いてくれたまえ

韓国の現代小説は一時期何冊か立て続けに読んでいたのだが、ちょっとしたブームになると共に少し冷めてしまって(ブームに対しての反感めいたものがあったわけではなく、そんなものは持っても仕方がない、ブームになると玉石の石の方が増えてしまっていくつ…

日記と言葉

コロナ禍の日々を書き記しておこうと作家と編集者は考えたのだろう、いくつかの文芸誌で日記特集が組まれた。単行本としては『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(作品社)と『コロナ禍日記』(タバブックス)が出ていて、コンセプトは同じだが筆者が違い、…

購入更新

基本的に紙の本が好きで、本屋で並んでいるものを買っている。たまにセールで叩き売られている電子書籍をちまちま買っておいたりするのだがあまり読まない、手が出ない。ただ、漫画だけは別で最近は電子版の方を買う事が増えている、漫画は冊数が多いので部…

七月一四日、三体

十二時間くらい寝た。昨夜は二十二時くらいに寝て、八時くらいに起きられるだろうと思ったら全く起きれず、目覚めたらもう十時だった。寝過ぎた気もするが、起きたら不調から回復していたので必要な睡眠だったらしい。胃痛もなくなった、それどころか肉を喰…

ダンシング・ヴァニティ/反復と差異の生

姉とのメールのやり取りの中で筒井康隆の名前が出て、そういえば文庫を持っているけど確かまだ読んでいなかったよなと何となく読み出したが、途中で読んだ事あるなと気づいて、読み進めていくとやっぱり読んだ事ないとなって、それを繰り返して小説の構造と…

思いを思い出せない

「おまえが読みたいっつってた本が届いたから取りに来てええで」というメールが来たので、会社帰りに久々に図書館に寄る。中には入れず、出入り口にカウンターが設置されており、そこで図書館員にカードを渡して照合し予約本をとってきてもらうシステム。前…

つまらない本

読みたい本はあるし読みたい気持ちもあるのだが相反して活字が頭に入らなくて、結構長らく本が読めないでいるのだが、これなら読めるかもなと買って読み始めた新刊本が、確かに一応最後まで読み通せたんだけど全然おもしろくなかった。これでまた読書熱が下…

二転三転一八巻

一昨日読んだと書いた『オールラウンダー廻』は全19巻なのだが何故だか18巻だけ抜けていて、そういうのは他にもあったけど別のところから見つかったりしていたのにこの18巻だけはどこにもない。これを一気読みしたくてわざわざ整理をした面もあったので、勢…

最近気に入っている漫画

在宅でお暇な時のご参考に、思い出すままにつらつらと簡単に一行感想。 恋愛に限らず人間関係が点と点を繋いだ線なのではなく、空間によって面となり、時間によって立体になる事を描いた秀逸な漫画、次巻完結、どんな決断を。A子さんの恋人 6巻 (ハルタコミ…

勝田文『風太郎不戦日記』/記憶と記録と書く事

日記を書く時のタイトル「休日派」はこれのオマージュだと何度か書いてきた、山田風太郎の名作日記「戦中派」シリーズが漫画化されると聞いた時は、期待半分と何をどうやって描くのだろうと心配半分で掲載雑誌は読んでいなかったが、このたび単行本化されて…

味のプロレス/プロレスの味

アカツキ『味のプロレス オールスター編』(新紀元社)が出ていたので買った。本屋で見つからず、店員に聞いて見つけてもらい、買う際に「あってよかったですね」と笑顔で言われて嬉しかった。実際のプロレス、レスラーをネタにした4コマ漫画で著者がTwitter…

年末年始に読んだ渋澤龍彦と三島由紀夫の本

礒崎純一『龍彦親王航海記 澁澤龍彦伝』(白水社)。高校時代に知って、自分の名前と漢字一字同じなのもあって親近感を持つも、全く違う趣味と思考の澁澤龍彦の評伝。詳細かつ骨太で読ませる。それでも三島由紀夫の死以後は少しダレてきたな、と思ったタイミ…

年末年始に読んだその土地で書かれた本

滝口悠生『やがて忘れる過程の途中』(NUMABOOKS)。アイオワ大学で行われた滞在型プログラム「インターナショナル・ライティング・プログラム」の十週間の記憶と記録を書いた日記。書く事、話す事、言葉が通じにくい事、確かな戸惑いと曖昧な理解がある事、…

キッチンの悪魔/悪魔が来たりて美味作る

表紙写真がかっこよかったので手に取ってレジに持っていったら思いのほか高くて、何故にと確認したらみすず書房から出ていたマルコ・ピエール・ホワイト『キッチンの悪魔 三つ星を越えた男』(みすず書房、千葉敏生訳)。イギリス人初にして最年少三つ星獲得…

そのうちやってみたい

最近、同人誌、リトルプレス、ZINEをよく買っている、ネットで古本屋でその辺で見かけておもしろそうだと思ったらさっと買ってしまう、思ったより高値なのもあるし、内容はむろん玉石混淆ではあるけれど、ネットで有料記事にするのではなくわざわざ紙にする…

また再読

西尾維新の戯言シリーズを再読した勢いで、森博嗣の『すべてがFになる』も再読、これ一冊は妙に好きで、売っては買い直すを何度か繰り返して、今回はまだ本棚にあったのでそれを取り出した。いつもはこれだけで満足するのだが、今回は続きも読みたくなって、…

再読

キッカケは忘れたが久し振りに西尾維新の戯言シリーズを読んだ、全六タイトルで九冊、文庫も出ているが持っているのはノベルス版。西尾維新の他の小説はピンと来ずに売ってしまったし、最近のは全く読んでいないがこのシリーズだけは好きで持っている。わり…

そこに愛はあるのかい

河出書房新社から『ピーナッツ全集』が出ると聞いて喜んで、もちろん買うつもりだったのだが、発売が開始された今でも予約も購入もしていない。理由は、まず置く場所がない、なんとかしたい。そして角川書店から出たデイリー版サンデー版は全巻持っていて、…

星と春と修羅

暇つぶしにTumblrを眺めていたら、宮沢賢治『よだかの星』の一節が流れてきた、俺はこれまで読んだ事がなかったのだが、とても美しい一文だった。 そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているの…

吾妻ひでおと日記のこと

先々月に大岡昇平の『成城だより』が中公文庫からひと月一冊全三巻で復刊して、講談社文芸文庫版は持っているけれどつい買ってしまい再読していたら、日記に金井美恵子が登場したので『目白雑録』シリーズも併せて再読し始めた。どちらも読み終えて、次に何…

『ザ・シェフ』を読んだ

『ザ・シェフ』が電子書籍全41巻のうち30巻まで一冊11円だったのでその30巻まで買って読んだ。この漫画はいつの間にか存在も内容も知っていて、近所の蕎麦屋か床屋か喫茶店かでたぶん読んだのだろう、そういう漫画としては『こち亀』『ゴルゴ13』と肩を並べ…

つけびの村/煙見て噂ついばむ小鳥ども

noteでの連載というより存在を知った時にはすでに書籍化が決まっていたので(だいぶ遅い)、改めて本になってから手に取った高橋ユキ『つけびの村 噂が5人を殺したのか? 』(晶文社)、いざ読み出したら一気読み、メチャおもしろい。「つけびして 煙り喜ぶ …

専門知は、もういらないのか/いるよね

トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(みすず書房、高里ひろ訳)。これはメチャクチャおもしろい。ブログから生まれた本なのもあって読みやすく、左右硬軟の話題を織り交ぜながら、無知や、正当でも誤用でもない新たな反知性を、身も蓋も容赦もな…

ブックカバー

本を買った時は文庫でも四六判でも新書でも必ず書店の紙のブックカバーをつけてもらう、ハヤカワポケミスはつけないかも。なんの気なしに今日読み返した『今日の早川さん』2巻で、電車で早川さんの隣に座った人が書店カバーのまま本を読んでいて「身だしなみ…

ファンタジーランドの人間たち

カート・アンダーセン『ファンタジーランド 狂気の幻想のアメリカ500年史』(東洋経済新報社、山田美明・山田文訳、上下巻)。「ホモ・サピエンスは『想像上の秩序』、すなわち嘘とそれを信頼する事で文明を築いてきた」(『サピエンス全史』)わけだが、さ…

41度

給湯器によると我が家の風呂の温度は、夏は41度、冬は42度で、だからいまは41度なのだが、41度と見るたびに『南国少年パプワくん』の「ぬるい! こんなぬるい風呂に入れるかー!! 風呂の温度は41度!! そんな事もわからんのかああ!!」というセリフを思い…

最近読んだ小説二冊

岸政彦『図書室』(新潮社)を読んだ、表題作は悪くないがイマイチ乗れなかった、中年の女性が今といろいろな自身の昔を語るのだが中心になっているのが小学生の頃の図書室での話で、俺が子供の話が苦手だから乗れなかったのかもしれない。といっても今作は…

付箋

カミさんから上下巻の本を借りたら、ビッシリと付箋がつけられていた。俺は付箋をつけるのが苦手で、苦手というのも変なのだがほとんど使わない。ではどこに何が書かれていたかを覚えているのかといえばそんな事はなく、何となくの場所だけだ、だから後で感…