不発連合式バックドロップ

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いしいひさいち『花の雨が降る』/傑作の続編はまた傑作

いしいひさいちの新たな傑作 - 不発連合式バックドロップ

 いしいひさいちの『ROKA』がすばらしい傑作である事は書いた通りだが、その続編が出た。『花の雨が降る ROCAエピソード集』、続編といっても前作の続きではなく前作の隙間を埋める話ばかりで、そうすると蛇足と思われそうだがこれがまた勝るとも劣らぬ傑作なのだ。前作ラストのキーワード「サウダージ」を別の形で描いたような表紙はもちろん、裏表紙の小さな絵がまたすばらしい。昨日の感想繋がりではないが、『ピーナッツ』のチャールズ・M・シュルツは老いた事で独特の線を手に入れて唯一無二のコミックを描いていたが、いしいひさいちもその域、七十歳を超えて独特の線を手に入れた上に、そのうえこのセンス、構図に間の取り方など全てがすごい、語彙が貧困で申し訳ない。本作も前作もAmazonで買えるようになったので、ぜひご一読いただきたい。日本にはいしいひさいちがいる。

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