不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一二月四日、今日も思い立って

 横に寝られるようになって幾日か過ぎ、ようやく普通に寝られるようになって(まだ朝まで快眠はないけれど)ひと安心したら、ふと枕が気になった。現在使用中のものは確か前の家の時に買ったはずで下手したら十年ものだ。それでもいまのところ問題はないのだが、ちょっと新しいのを考えてもいいタイミングかもしれない。そう思い立ったが吉日と今日も街へ繰り出した。枕は店で「お試しください」と言われる事があるけれど、横になっただけではわからない、一晩いや二晩くらい寝てみなければ寝心地は掴めないのでいつも困る。まずはニトリを見て、そのあと枕専門店を見て、結局最後に寄った無印良品で手頃な値段のものを買う。駄目でもいいと思えるものにしてしまった。エコバッグに入らないので剥き出しの枕を脇に抱えて帰る、「これで寝るんです」と宣言しているかのようでちょっと非日常。

一二月三日、思い立ったが吉日と言いますので

 《数日考える》と書いた翌日に新しイヤフォンを買ってしまった、考えるとは何だったのか。昼飯を喰って、チャイを飲みながら公園を散歩した後、とりあえずヨドバシカメラに行き、実物を見るつもりでいただけのはずだった。ついでといって試聴をしたのが余計だったか、いや試聴できるならしたい。そうしたら予想よりもいい音だったからもうこれでいいかなと思っていたところに、すすっと近寄ってきた店員が「それがいいなら、これもオススメですよ」と出してきたVictorのものがこれまたよくて悩む。ここで一旦持ち帰って検討のつもりが帰ったところで家で聴き比べができるわけでもないし、店員は「このクラスならこれが今期はトップですね」とさらにプッシュしてきて、横にいたカミさんにいたっては刻印されたVictor犬ことニッパーの刻印を気に入って「悩んでるならこっちにすれば、かわいいから」と背中を押すので、みんな(二人だけだが。一人は店員だし)がそう言うならと他人のせいにして決めてしまう。しっくり来なければカミさんにあげて(押し付けて)もう一つの方を買い直せばいいしな、と何故か今日に限ってお大尽のような気分になる。ほくほくしながら帰宅、あとは炬燵でのんびり過ごす。

すっかり完全ワイヤレスに慣れてしまった

 ブラックフライデーが終わった途端にBluetoothイヤフォンが不調になった。右耳パートが音飛びするようになり動かすと中から小さくだがカラカラと音がする、不調というか故障だ。欲しかったものが値引きされていたかどうかはわからないので何も損をしていないのだけれど、このタイミングはややガックリしてしまった。これを買ったのが二年前なので短い気もするが、通勤往復時はほぼ使っていた事を考えれば酷使に近く故障も仕方ないと言えるかもしれない。次はどうしようかと早速この手の話が好きな友人と情報交換、これが意外と楽しかったりする。むしろ値引きにとらわれて焦って買うより、じっくり考えられるからこのタイミングの方がよかったのではないかと前向きに思う事にした。何となく次はこれかなと見当をつけたところで今日はおしまい、あと数日考えるとして、その間は代替機もないし鼻歌やハミングで乗り切るしかないか、人前ではもちろんしないけれど。

二〇二二年、Spotifyの私

 今年のまとめができたで、とSpotifyから通知があったので早速見てみた、いつも思うが12月分はもう来年分扱いなのだろうか。昨年末からクラシックをよく聞き出し、今年の不調時にはそればっかりだったので上位はそのへんが占めているだろう、一番再生した音楽家となればグレン・グールドマルタ・アルゲリッチ、あるいはフランチェスコ・トリスターノかなと予想しながらチェックしたら出てきたのがあの大バッハことヨハン・ゼバスティアン・バッハだったので笑ってしまった。確かにSpotifyはクラシックだとプレイヤーだけでなく作曲家も該当アーティストとして枠があるので不思議ではないのだけれど、けばけばしい配色で彩られた背景にあのゴージャスな白い巻き髪のでかい顔がドカンと出てくるのはちょっとサイケデリックですらあった。556分ほど聞いたそうで、十時間弱は少ないなと思ったがそれでもリスナーの上位2%になる。それはおそらくSpotifyでクラシックを聞く人が少ないからだろう、クラシックファンなら音質にこだわりあると聞くのでSpotifyは選ばない、配信ならNMLがある、私のようなにわかはここでいいが。

 バッハ以下は、ハンバートハンバートレッド・ホット・チリ・ペッパーズフレデリック・ショパンリアム・ギャラガーと続く。ショパンはバッハと同じで、ハンバートハンバートは一時期重点的によく聞いたのでわかる、新曲“岬”もよかった。意外ではないが意外なのが他二つで、レッチリは確かに再生していたがCDを買ったので届いた後はそちらで聞いていたはず。なのに三位になるのか。The Smileも同じようにアルバムを買ったものの先行配信を聞いていたはずだが、ランクインせず。リアムはCDは買っていないが、確かに新譜もライブ盤もよかったけど、ランクインするほど聞いたっけな、聞いたんだろうけど、喉の調子もよさそうだしいいかげん再結成しろ、いやこれは兄貴の方に言うべきなのかもしれんが。

 曲別だと以下五曲がトップ5。一位は疲れている時(一年中疲れていた気もする)にふと聞いて《誰にも言えない孤独だとか君の不安を終わらせに来た》というフレーズにグッと来て、何度も聞いていた。吉井は昨年末から定期的に。珍しいのはサカナクションか、この歌はアルバム曲で、気に入ってこれだけを何度も聞いていた、飲めないビールを飲んでみようかな、ストーンジンジャーを入れて。


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 この四曲の真ん中、三位には今年もこの曲があった、もはや私の人生の一曲。死守せよ、軽やかに手放せ、《風に流されたふりしながら》といつも歌っている。


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横になれるって素晴らしい

 カバーなしソファに埋もれて寝ているが、昨夜は普通の枕での睡眠に挑んでみた。横になるとささやかながら確かな圧迫感を覚え、これが重力かと地球単位で考えている自分がいた。ちょっとした息苦しさはあるものの咳は出ず、横を向いても問題なし、これはいけると目を閉じるが、いつ以来か、一ヶ月か二ヶ月か、久方振りの横になっての睡眠は妙な違和感があった、知っているけど落ち着かない感覚。人間は忘れる動物である、だが覚えている動物だし慣れる動物なのでそのうち大丈夫になるだろう、快眠が少し近づいてきただけで一安心というものだ。

療養中に読んだ本

 療養中は時間があったのでやたらと本を読んだ、不調時に読めなかったのを取り返す勢いだが別にそんなつもりは一切なく、読めるなぁと思って読んでいた。紙の本はもちろんだが、電子書籍にもなれてみようかなと突如思いついてKindle Unlimitedで気になる本をダウンロードしては読んでいた。

 紙の本ではーー十川信介夏目漱石』(岩波新書)、池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記』(中公新書)、吉川浩満『哲学の門前』(晶文社)、ジョン・マウチュリ『指揮者は何を考えているか 解釈、テクニック、舞台裏の戦い』(松浦哲也訳、白水社)、『新潮』2022年12月号(新潮社)、『ゲンロン13』(ゲンロン)、あとは詩集や短歌集を何冊か。

 Kindle Unlimitedではーー池内紀『となりのカフカ』(光文社新書)、中島義道『生きるのも死ぬのもイヤなきみへ』(角川文庫)、海老坂武『NHK「100分de名著」ブックス サルトル 実存主義とは何か 希望と自由の哲学』(NHK出版)、 許光俊『世界最高のピアニスト』(光文社新書)、車谷長吉『雲雀の巣を捜した日』(講談社)、森博嗣『すべてはFになる』(講談社文庫)。

 一番おもしろかったのは、吉川浩満『哲学の門前』。印象に残っているのは池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ』で、それは内容がいいというよりも、肺のために空気のきれいな山奥に行きたいとTwitterで書いたら「山深いサナトリウムで様々な人と出会い人生の真理へと近づいてゆくトーマス・マン的な龍氏を想像してさすが文学派だな……と勝手に納得しました」とのリプライをもらい、私が文学派なのかどうかはともかく(どうなんでしょうか)、トーマス・マンって読んだ事ないな、『魔の山』を読んでみるか、でもいきなりはハードル高いな、まずは軽く評伝から、と思って選んだのだが、本書で書かれているのはすでに『魔の山』を書き終えた後の亡命時代だったので的外れになってしまった。内容はまあまあ。

サラリーマンは健康に悪い

 二ヶ月、二年ならともかく二週間程度でこう書くのも大げさだが、ともあれ会社復帰初日であった。仕事は在宅ですでに再開していた。体力が戻っていないのもあって、電車での通勤往復だけでもう疲れる。会社では当然他の人がいてそれなりに気を張るし気を使う、喋る回数時間も増えるので咳が増える、もちろん仕事もする。そして、私が不在の間に結構大きな事変が社内で起きていて、その場にいたら怒りとストレスで症状悪化待ったなしであったろうからいなくよかったのだが、いまは鎮火状態になった祭りの後だから出遅れた感がありやや蚊帳の外でさみしい。まぁどうせまた火がつくだろう、それはつまり会社内空気が悪いままという事なので、果たして生き残れるのか自分。穏やかな生活を望んでいるだけなのに。