不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

「価値観を変えた本」

 《過去この日記でジャニー喜多川について何か言及しただろうかと思って検索してみた》と書かれた日記を読んで、自分でもこの日記でやってみたが一つもヒットせず、ジャニーズに言葉を変えて検索してみたらいくつか出てきたものの、「ジャニーズのコンサートに一回くらい行ってみたい」というものばかりであった。そこから前後の過去の日記を見たら、二〇〇六年にオリコンが「最近、感動を忘れていませんか?~自分の価値観を変えた本」というアンケートを行い、それへの反応を書いていた。本来なら日記へのリンクを張るべきだが、〇六年といえば日記を書き始めたばかりでいまと違うのはもちろん、やけに尖った若書きなのが恥ずかしいので張らない、読まないでください。アンケート結果だけ引用しておくと――。

最近、感動を忘れていませんか?〜自分の価値観を変えた本 | ORICON NEWS *1

  1. リリー・フランキー東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』
  2. 乙武洋匡五体不満足
  3. 堂本剛ぼくの靴音
  4. デイヴ・ペイザー『“It”(それ)と呼ばれた子』 蝶々『小悪魔な女になる方法』
  5. 山田詠美『僕は勉強ができない』 L・M・モンゴメリ赤毛のアン』 サン・テグジュペリ星の王子さま』 藤原正彦国家の品格』 ミヒャエル・エンデ『モモ』 J・K・ローリングハリー・ポッター』 江原啓之『スピリチュアル子育て』 yoshi『DeepLove』 等

 回答数はどれくらいで、どの世代が何人答えたのかといったところが気になるものの、当時もいまもやはり「なんだこの結果は」と不思議に思う。他人の感想や価値観に口を出すのもなんだが、本当に「自分の価値観を変えた」のだろうか。『東京タワー』を読んで「母を大切に」とか、『五体不満足』で「健康を、現在を大事に」とかいった感想を抱くとしても、それは価値観を変える事ではないと思うのだが。三位の堂本剛にいたっては、一体どういうふうに価値観を変えたのかを聞いてみたい。そもそもアンケートのタイトルの「感動する」と「価値観を変える」は違う事だろう……などと十七年前のランキングや記事に文句を言うのもバカバカしいと我ながら思いますが。さて自分はというと、いまパッと思いつくのは、高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』、あるいは 高野秀行・清水克行『世界の辺境とハードボイルド室町時代』かなぁ、読み終わったあと、自分の世界の狭さ、知らない世界の広さに、パーッと視界が開けた気がした、たぶん価値観も変わった。

*1:検索したらそもそもの元記事があった。まだネット上に残っているとは思わなかった。何であれアーカイブとして記事が残っているのはいい事ではある。デジタルタトゥーの問題もあるけど。