不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

三十年前の僕らは胸躍らせて『ドラゴンボール』を読んでいた

 あれからいくら年月が経っても、いや、年月が経てば経つほど、その創造性、革新性はより輝いていった。鳥山明の漫画やイラストを知らなくても、もしかしたらそれらが好きではなかったとしても、その影響を受けた作品や作り手には絶対に触れているであろう、それくらいの人だったはずだ。いちいち具体例は出さないがその影響力はたとえば手塚治虫藤子不二雄と並ぶ、もしかしたらそれ以上ではないかとすら思う。尾田栄一郎の追悼コメントの一節《僕らは血液レベルで鳥山先生が大好きだから》*1の「血液レベル」は決して誇張ではないだろう。

 『Dr.スランプ』には間に合わなかったが、『ドラゴンボール』をリアルタイムで毎週読めた事は人生最大のラッキーの一つだ。小学生の頃、自宅から公園を挟んだ向かいにある駄菓子屋が土曜日にこっそり『ジャンプ』を早売りしてくれていたのを、半ドンの授業が終わるや買いに行っていた。フリーザ編は先に読ませろ、早く読ませろと姉としょっちゅう争っていた。他の好みや趣味ができても『ドラゴンボール』は最後まで見届けようと決めていた。少しずつ距離はできていったものの、まだまだ漫画も読んでいた。カミさんは『ドラゴンクエスト』の猛烈ファンだ。

 ほとんどメディアに出てこない人だったからあのロボット自画像のイメージが強く、だからあの頭に輪っかを浮かべて「いやー、死んじゃいました、お騒がせしてすみません」「ではみなさんもいずれあの世でお会いしましょう*2」なんて言ってひょっこり出てきてほしい、いやたぶん見えないだけでそうなっているのだろう。

 あなたのおかげで私のいまがあります、有難うございました。

 その日はいつか来るんだけど、そのいつかはいつだって唐突だ。

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