不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一一月二七日、療養最終日

 書いた通りまったりの予定だが、カミさんと「焼肉ッて気分だね」と一致してしまったので昼は駅前に肉を焼きに行く。人気店だがさすがに日曜昼イチは空いていた。思う存分喰らってから、ぶらぶらと公園や図書館、カフェを経由しながら散歩。寒波が来るそうで、もしかしたら秋の最後の日か、染まった葉と雲ひとつない空が気持ちいい、療養最終日にピッタリだ。体調は回復はしているものの、何せ昨年の七月から咳による不調が始まっていたのでもはや本調子がどんな具合だったのかが思い出せない。さらに遡ればカミさんの病気発症後からすでに不調だった気もする、あの時は特にメンタルだが。とりあえず、回復しきっていない事を周囲に伝え、細々と作業をして、自分のペースでそれなりにやっていく事だけを考えよう。仕事は生きていくうえで大事だが、それでもしょせんはたかが仕事なのだ。



一一月二六日、リハビリ

 週明けには会社に復帰予定なので、リハビリとして、そして現在の自分の限界を見定めるため、二週間ぶりに電車に乗る。といっても近場で珈琲豆を買い、古本屋と本屋をのぞいて、あとは一駅分ぶらぶらと歩くといういつもの休日コースではあるのだが、だからこそ体力が落ちている事やまだ息も上がりやすくなっている事がよくわかる、病み上がりで一万三千歩は頑張りすぎた気もした。すっかり疲れてしまって少し咳も出るので、明日はひたすらまったりする予定です。

セール

 ブラックフライデーなるものの存在は二年前くらいにはっきり認知したのだが、もう世間では当たり前のように使われていて、実店舗の薬局でもブラックフライデーです云々カンヌン言っていて違和感があった。いわゆる特売日とは違う響きが購買欲をそそるのだろうか、やっぱりしゃらくさいなと私なんかは思うが。まぁセールはセールなので必要なものがあったら買うかとAmazonを見てみたが特になく、今年も何も買わずかと思いきや、前に買って気に入ったが品切れになっていたラクラクジーンズが再販されていたので購入した。ずっと再販されないかなとチェックしていたのだが、ブラックフライデーを機にしたのだろうか。以前の値段を忘れていて、いま割り引かれてはいるけれど割引後の値段が実際の値段ではないだろうなと疑ってしまった。70%オフというbluetoothイヤフォンを買った時は、明らかに元の値段の音質ではなかった。安ければいいというものではない。

倒れずに倒れていた

 肺炎と診断され治療を始めてから一週間と一日、病院でレントゲンなど再検査をした結果、薬の効きがよかったらしく回復傾向にあり。自分でも身体が、もっといえば呼吸が楽になったと実感している。ウイルスや細菌性ではなく免疫性で再発の可能性が結構あるので量を減らしながら薬は飲み続ける、同時にもちろん無理は禁物、前からあった咳が残るかもしれないのでそこも要経過観察ではあるが、とりあえずホッとしている。担当医に「いやー……苦しかったでしょう」としみじみと言われ、「もうイヤですね」と当然の返事をする。ここ数ヶ月、日記でもTwitterでも「いつか倒れる」「倒れる直前だ」と何度か書いていたけれど、あの時は「自分はどうやって倒れるんだろう」、不意に目眩でも起こすのか、ある朝に高熱を発して動けなくなるのか、精神的に追い詰められるのか、と考えていてその時点で本当に「倒れる」とは思っていなかったのかもしれない、どこか他人事だ。結果はっきりしたポイントがあったのではなく、続いているひどい咳き込みの延長だろうと勝手に思い込んでいたが歩いているだけで呼吸がおかしくなっていた時点で、もうゆっくりと倒れ始めていたのだと今ならわかる。しかし結局は倒れきらなかった。最悪の状態の夜は、寝る事も他にできる事もなく、ただ咳と呼吸調整をしていて、倒れる事すらできなかったのだ。どこまでも長かった、あんな夜はもうごめんだ。

一一月二三日、円盤三枚

 昨日届いた、宮本浩次のソロライブ『縦横無尽完結編 on birthday』をとりあえず一見。ツアー最終日なだけに出来上がっているコンサートですばらしく、宮本がどれだけ偉大なシンガーなのかもよくわかる。バックは完全に任せて歌だけに集中する宮本のポテンシャルが如何なく発揮されている。ここ数年は宮本ソロもエレカシもライブと縁がなくて寂しい。あと、エレカシの楽曲だとバンドの違いが如実に出ていておもしろい。個人的にはやはりエレカシの楽曲はエレカシのが断然いいのだが、それでもそれなりにクオリティが高いパフォーマンスではあったのだけれど、唯一“ガストロンジャー”だけは宮本本人もバンドの演奏も呼吸を合わせるためにお互いに置きにいっているのが丸わかりで、こんな窮屈そうなのは初めてだった、終盤はよくなっていったけど。吉井和哉もそうだったが、ソロではソロの楽曲が一番いい。このあとエレカシも聞きたくなって、聞きたくなったのに何故かドキュメンタリーの『劇場版エレファントカシマシ』を再生、これぞバンドよとしみじみ。次に昨日書いた『グッドナイト&グッドラック』をようやく見つけたので再生。モノクロでタイトな演出がスタイリッシュで抜群にかっこいいし、赤狩りの危険性はいまだ有効だが、一方でマロー側の信念や主義はこれはこれで過激で危ういのでは、と公開から十六年経ったからこそ思う。ウィルコ・ジョンソンの訃報。この人がいなければアベフトシが、ひいてはミッシェル・ガン・エレファントはいなかったかもしれない。一度だけ単独ライブに行けたのはいい思い出。*1


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そこになくても、あるはずです

「この映画知ってる?」
「知ってるどころか、DVD持ってるよ」

 カミさんが聞いてきた映画は公開時に見て気に入って、私にしては珍しく円盤を買ったものだった。配信はされているようだが、スターチャンネルに登録しないと見られませんというもので、無料期間はあろうがこれ以上そういうものを増やしたくない。世は配信時代、音楽でも映画でも漫画でも何でも配信されているかと思いきや、意外とそんな事はなく、理由はそれぞれあろうが配信されていないものは数多い。若い人は配信されていなければこの世にないように思うそうだが、なかなかに視野が狭い、と書くのはオッサンだからである。中古のものを探し回るのも悪くないものだ。配信を受ける事と所有する事は違うのだし。などともっともらしい事を書いているのだが、肝心のそのDVDが見つからない。おかしい、DVDはそれほど所持しておらず、まとめて置いてあるはずなのに。買わなかったんだっけとamazonの履歴を見たら、十六年も前だが確かに買っていた、売った覚えはない。こうなればないのと同じではないかと己に突っ込みながら探している。どこへ行ってしまったのだろう、私の『グッドナイト&グッドラック』は。


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ベイマックスに埋もれて

 就寝時の「体にフィットするソファ」の使い方だが、カバーを使わず、本体剥き出しで頭の方に置いてそこに上半身を埋もれさしている。カバー付きだと存外硬く、もたれかかっても上半身はソファに埋もれずにそこそこの急角度を保ってしまう。使い込んでいけばそのうちカバーもやわらかくなるだろうが、必要なのはいま現在であってそのうちではない。本体がへたるのが早いだろうがそれも同じ。白い本体に埋もれるようにして寝てみたら、寝相は固定されたままなので背中はやはり痛くなるが、そのぶん咳の出ない角度などが確保できるのでいい、久しぶりに起きる事なく長時間寝られた、朝も寝過ぎた。よかった、これでいこう、ちょうどあの「ベイマックス」のお腹に埋もれているような気分になるのもいい。