不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一一月二〇日、引きこもりデー

 雨が降るそうなので朝から引きこもり、漫画を読んだり、本を読んだり、Youtubeを見たり、寝たり、食べたり、飲んだり、寝たり、食べたりして過ごす、静養だ。夕飯はCoCo壱のデリバリーを頼むつもりが、最寄りの二軒ともデリバリーをやめてしまった。なんてことだ、絶望だ、未来は暗い、Uber eatsがある? 知るかそんなもん。土日は点滴なしだったせいか、今日は不調でここ数日で一番咳き込む。週明けどこかで会社に顔を出すつもりだったが難しいかも、といった事をカミさんに話したら「会社に行くつもりだったのか、行くべきは病院だ、明日点滴に行け」と呆れ半分怒り半分の顔で言われる、うう、確かにそうかも。他の人にこれ以上迷惑をかけられないとか、申し訳ないとか、やらねばならぬとか、そういう意識がまだ抜けていない、これではまたすぐに悪化してしまう、気をつけねば。

一一月一九日、だめな人のためのソファ

 家の近所の散歩ばかりなので、欲しいものもあり駅前まで足を伸ばす。キリッとした醤油味の何かを求めて蕎麦屋へ行くが目当ての店には列ができていたので、醤油ラーメンに切り替える。これが食べたかったという味だが一杯で腹一杯胸一杯になってしまう、吸って食べるのが肺に負担だったか。喫茶店で一休みしてから本屋を覗いて、無印良品で「人をダメにするソファ」ならぬ「体にフィットするソファ」を買う。咳き込むので上半身を起こして寝ているが首や背中に負担があると姉に言ったら、これがいいと教えてもらった。偏頭痛で吐き気がある時はベッドの上に置いてこれに寄りかかって寝ているという。サンプルに座ったり横になったりして試してから、結構な大きさに一瞬悩んだが病気を治すためには安眠が必要だと思い購入。配送だと四日くらいかかると言うので、持ち帰りにしてタクシーで帰宅。設置して早速寝てみる。買いたてだからかまだやや高いものの、悪くない、少しだけうたた寝もできた。期待したい、だめだったらソファとして使えばよいし。

人は酸素で動いている

 ちらりと聞いてはいたけれど改めて検索したところによると、血中酸素飽和度は99~96%が正常値で、例のウイルスに感染した人の場合、96%以上は軽症、93%〜96%未満は中等症Ⅰ(呼吸不全なし)、そして93%以下は中等症Ⅱ(呼吸不全あり)と区分されるという。私の肺炎が発覚して測った時の最低値は92%でケース・バイ・ケースであろうがあまりよろしくない数字であり、見た瞬間に担当医が「おっと……」という表情をしていたし、それを見て私も息苦しいわけだと納得した。ずっとこの数値ではないだろうが低かった状態なのは確かで、よく通勤なんぞしていたものだ。駅までの道や駅の階段を上がるだけで息が切れて座り込んでいたのを単に不調だという一言で終わりにしていたのだから正常ではない、まさに脳にも酸素が行っていなかったのだ。いまはゆっくり近所を歩きながら呼吸の具合を見ている。人間のガソリンは酸素だ、そして《ナビゲーターは魂だ》というフレーズを思い出して、ブルーハーツの名曲を口ずさみながら散歩している。


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新型旧型

 昨日《発熱しなかったのでコロナではないだろうとは思っていた》と書いたが、心のどこかでは発熱しないケースもあると以前聞いていたし、ちょうど第八波だなんだと言われていたのでもしかしたらコロナなのではないかと疑ってもいたが違うと言われ、肺炎は肺炎でも新型ではなく旧型(という言い方が適切かは知らないが)だったもので、結構直接人に会っていたので連絡などせずにすむなとホッとすると共に、こういう時にも流行りに乗れないんだなと別段乗らなくたっておかしくないはずなのにちょっとおかしくて苦笑した、乗りたいわけでもないのに。

病名と肌

 病院で検査後、担当医との会話。

「いいニュースと悪いニュースがあります」
「そのセリフを初めて生で聞きました」
「いいニュースは、コロナではなかった。悪いニュースは、肺炎でした」

 発熱しなかったのでコロナではないだろうとは思っていたが、熱がないから肺炎でもないと思っていたら、発熱しない肺炎もあるという。詳しい種類は明日改めて聞く事になっているが、レントゲンで見た左の肺がかなり白くなっていたので、そりゃあ息も苦しいわ酸素が吸えていないはずだわと納得した。喘息の原因はよくわからなかった(疲労とストレスではある)が肺炎の原因はわかりそうというのも変な話な気もするけど、病名がはっきりしただけでかなりホッとした。

 検査後に点滴を打つ事になった、二十数年ぶりの点滴だがこれといって変化なく、腕に針を入れて後は静かに終わるのを待つだけだ。左腕をめくって血管を探している看護師さんから「キレイな腕ですねー、お姫様みたい」と言われてリアクションに困る、血管が見えにくいという事だろうが四十すぎのヒゲメガネがお姫様呼ばわりされるのは想定外です。数年前に義父に「透き通るような白い肌だね」と言われた時の事を思い出した、あの時も返答に困った。本当に肌がキレイなのだろうか、少し自信を持ってみよう、持ったところで特に何も変わらないのだが。

時間の潰し方

 病気の時は寝るのが一番なのだが、横になるとどんな体勢でも咳が出てしまい、寝るときは上半身は縦にしなければならない。自分と壁の間に枕とクッションを入れているが、長時間同じ体勢でいるから起きたら首と背中がバキバキになる。それでも寝られるだけマシだが三時間くらいが限度。だからあまり寝ていられないので、起きながら咳き込み呼吸を整え様子を見る事だけを繰り返している。その間とても頭は働かないので、ひたすら漫画を読むか、『水曜どうでしょう』を見ている。先日カミさんが友人に会い、夫の不満を聞かれたそうで、ほとんどないなかから捻り出したのが「何かっちゃー『水曜どうでしょう』を再生する」だったという。すまない、だけど今日は許してほしい、無駄な笑いが必要なのだ。

まじめ

 カミさんストップが入り繁忙期なのに会社を休んでいる旨を姉に伝えたら、「龍はクソまじめだからな。嘘つくとかサボるとか縁ないだろ。いい事だけど心配なとこでもあり」と言われる。サボりや嘘はあまりついていないとは思う、苦手というか、取り繕うのが面倒というか。だが「まじめ」かはわからない、やや「偏執」的なのかも。そうでなければ日記を毎日書いたりはしない。私は自分が何かしらの才能があるわけでも優秀でもない事がわかっていて、できる事は地道にひたすら続ける事だけだと思っている、だから続ける事にこだわり、仕事もし続ける事にこだわってしまい、結果このザマなのではないか。自分で日記に書いておいて「死守せよ、だが軽やかに手放せ」ができていない、できていないからそれを事あるごとに書いているのかもしれない。今後守るのか、手放すのか、回復してから考えよう。