不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

残り香

 我が家の猫三匹のうち、虎猫一匹だけ魚に反応する。生魚煮魚は無反応で焼き魚の時だけ調理の段階から激しく鳴き出して、食べる時には食卓のまわりをウロウロしまくって、どうにかおこぼれをもらおうと必死だ。人間がだいたい喰ったあとにちょっとだけあげるとがっつくのだが、がっつきすぎて全く違う箇所を舐めている事も多々ある、見失う事すらも。魚を焼いたあとはわりと香りが残るもので、風呂から上がった時などにその残り香をはっきり認識することがあるのだが人間以上に鼻がきく猫にとってはどう感じているのだろう。あれほど喰らいついてくる食べ物の香りがまだまだするというのに、もう知らん顔で膝の上で眠っている。魚に興味のない他の二匹は虎猫とこの香りをどう見ているのだろう、なんだか夢中になっているなと冷めているのだろうか。猫の事は猫にしかわからない。

「食事、ぼちぼちやってます」

 健康診断から三ヶ月に一回くらいその時に食事相談した人から電話がかかってきて状況を話し合っている、今日は二回目の電話があった。朝飯喰ってるか、昼はなるべく定食喰え、夕飯は白米減らせ、甘いものはたまににしろといった助言は一応全部それなりには守っており、ウォーキングというほどではないが一日一万歩前後歩いているのはキープしているので、とりたてて付け加えて言う事はないそうな。とはいえ体重は数キロやせてから下げ止まっているのでどうしたものかと聞くと、「いまの状態を維持すればいいですよ」との事、「あとは日中、水やお茶たくさん飲んでください」。次の電話で最後らしい、その時までに特に変化しなさそうなのだがそれでいいのだろうか、いいと言われているんだからまぁいいのだろうけど。それにしても、暴飲暴食をしているわけではないのに悪い数値があって食事相談もせねばならず、俺より暴飲暴食して運動もしていない人が平気なのだから世の中理不尽なものである、これくらい微妙な身体の悪さや不調があった方が気にして、健康でいられるとも言えるかもしれないが、一病息災というやつである。

四月二五日、何もせず

 何もしない一日にすると意気込んでいたので何もしなかった。どこが休みでどこがやっているのかを把握するためもあって外出はした、昼飯はココイチ、久々では。公園や商店街などを散歩しながら街の様子を見る、人手はいつもの休日より少なめか、店はもちろん休業してしまっているところ多数あり。夜の様子も見たかったが、どうせ普通に出勤するから見られる時があるだろうと思って、レモネードを飲んで、食材買って帰宅。昼寝と読書。夜はパスタで、『ファーゴ』の続き。

四月二四日、滑り込み

 「明日の昼、このシンポジウムに行ってくれ」と上司に言われたのが昨日の午後で、あのさ、そういうのはもっと早く言ってくれないものかねとぼやいたが行く事には変わりなかった。そうこうしていたら緊急事態宣言がまたもや出て、それは日曜からだそうなので土曜のシンポジウムは主催者としては滑り込みセーフで、俺にとっては滑り込みアウトになったわけであった、やれやれ。終了後すみやかに退散し地元に戻り、居酒屋へ。駆け込みで喰いに行ったのではなく、前々からの約束がたまたま今日であって、こちらは滑り込みセーフだった。明日以降は街は暗くなるはずで、暗い誰もいない街を見に行きたい欲求が生まれているがどうしようかな。

(仮)

 連休が近づいてきて、毎年この連休はわりとちゃんと休めるのでうれしいものなのだが、昨年も今年も休みのテンションにならず、平熱のままだ。予定はもちろんない、あったとしてもたぶんキャンセルになった事であろう。仕事が少しの変化はあれど忙しさも収入も変わっていないのが有り難い事ではあるのだが、私生活で変化があるのに仕事面だけ変わらないために妙なギャップをずっと感じている、自分の立ち位置のゆらぎ。ニューノーマルなどという言葉が生まれ、しゃらくらいと思っていたがいつの間にかノーマルは確かに変わっている。だが本当に新しいノーマルなのだろうかと思っていたら、いつも読んでいるあるブログで「人生(仮)」と書いていて言い得て妙だなと思った、ずっと(仮)がぶら下がっている気分で、いつ本番になるのだろうか。本はあまり読んでいない、映画はちょっと、『エヴァンゲリオン』の二次創作をやたら読んでいる、あとは音楽ばかり聞いている。

君はキモチップを覚えているか?

 タイトルの問いかけだが、別に覚えていなくてもよい、というか俺もたったいま思い出した。あれは忘れもしない一年前、いや二年前だったか、それとももっと最近だったか、チップ(金のお札)みたいな紙に「thank you」といった言葉を添えて渡す――という、キモチップのキモは気持ちだけど、それは気持ち悪いのキモではないかと思われる事をやっているというか、流行らそうとしたというか、とにかくそういう事を言い出す人がいて話題になった事があった。覚えている事自体が脳のメモリを無駄に消費している気がするようなもので、これをわざわざ書いてあなたのメモリを消費するのもどうかと思いながら書いているのは、今日カミさんが俺が二度寝している間にそっとメモを残していたからである。そのメモがこれだ。

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 正直言って、起きてすぐは小さくて気づかなかったのだが、だいぶナイスなメモである。俺はこういう一言メモが好きで、結構残している、まぁくれるのはカミさんくらいなものだからカミさんのメモばかりなのだが。同じ内容をメールで送るよりもずっといい、味がある。直接言えないのなら感謝の言葉を添えたメモを置いておくのは悪い事ではない、むしろいい事だ、チップの形にしているのが悪趣味なだけで。葉書や手紙をもっと書いて渡したい、なんて思うけれど、そういう機会はあまりないのでせめてメモくらいはちょこちょこと書きたい。

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四月二一日、神楽坂散歩

 雑誌か何か見たカミさんが神楽坂散歩をコーディネートしてくれたので早速向かう。と思いきや、昼飯狙いの店が飯田橋の方だったのでまずは飯田橋駅へ。駅からすぐの立ち食いうどん屋なのだが、ここがヒット、安くてめちゃうまい、昨日まずい蕎麦を喰っただけによりおいしく食べた。会社近所にあったら通っているほど。

 改めて神楽坂方面へ。と勇んで行くも適当に歩くだけである。あっちの路地へ、こっちの裏道へ。公園があるから一休み、また歩く。神社があったので立ち寄ってみたら、これがまたえらくモダンで、鳥居以外はキレイなもの。赤城神社というところで、調べてみたら監修は隈研吾グッドデザイン賞を受賞しているそうだが、神社でグッドデザイン賞ってなんだよ。敷地内にはこれまたモダンなマンションもあって、ご利益あるんだかないんだかわからんが、一応参拝した。

 神楽坂駅前にある、「オー・メルベイユ・ドゥ・フレッド」というカフェに入る。メルベイユとはメレンゲホイップクリームでできたお菓子で、ここは日本初の専門店らしい、そんな事は入ってから知ったのだが。店内を見たら平日なのもあってか男は俺一人であった。カフェめぐりしている頃はこういう事があったな、キルフェボンで男俺一人とか。気にしない。お菓子も紅茶もえらくうまくて、かといって値段は高すぎずにナイス。また来たいくらいだがなかなか来なそう。

 そのままぶらぶらと早稲田駅まで歩いて帰宅し、散歩は終了。目当ての店二つだけ決めた散歩だったがなかなか楽しかった。あとは家でだらだら。

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