スーパークールと書かれた入浴剤を試した、入浴中はミントの香りが爽やかでなるほどクールだなくらいだったが、浴場の扉を開けてタオルをとったあたりで、おや、これは、ずいぶんとひんやりしていると気づく、なるほどスーパークールだ。身体はお湯で火照っているのに表面は涼やかというのは、つまり暑いけど涼しい、その後の汗の出方もずいぶん違う、冷水を浴びるような身体への負担はないだろうが暑い涼しいで混乱して神経がこんがらがらんかと心配にはなる。本当に暑い時以外は使わないようにしよう、だいたいもう夏は本当に暑い日しかないのだが。
蚊と存在
厳戒態勢で絶対に蚊を入れさせなかった寝室に昨夜ついにどこからか一匹侵入し、寝ている間に刺されまくって痒みで起きた、起きたら耳のそばを例の音を立てて飛んで行った。キンカンを塗りに居間に行き、ついでに先日買っておいた「蚊がいなくなるスプレー」を持って戻り、ワンプッシュして再び寝に入ると一瞬プーンと聞こえたけれど、その後は音も聞こえず刺されもしなかった。「殺虫」ではなく「いなくなる」という表現は柔らかになったようだがその実もっと怖くなったように感じる、「殺す」より「いなくなる」方がホラーだ。「殺す」は存在を肯定している、「いなくなる」は存在を否定している。この間、カミさんは俺の起きたり動いたりの動作で少し起きたものの、刺される事もなければ蚊の音も聞く事もなく、横になったままだった、同じ人間だというのに蚊のターゲットになる/ならないでこれほど差があるものなのか。学生時代に悪友と夏休みに旅行をし、ある公園で一晩過ごす事にしたが俺が蚊に刺されまくるので諦めた、悪友は一箇所も刺されていなかった。蚊にとっては俺は存在し、カミさんや悪友は存在していない。
テレビとメシ
本日19時30分からThe Yellow Monkeyの結成30周年ドームツアー決定記念30分30円ライブがYouTubeで生配信されるというので早めに帰るつもりがうっかり遅くなってしまい帰宅して席に着いて画面を開いたのは開始一分前だった。場所は渋谷Lamamaでここで活動していた時の曲でセットリストを組んだだろうと予想したらその通りでラストは予想期待通りの“Welcome to my doghouse“でツアーの最中なのもあってか出来上がった熟練のライブパフォーマンスで大満足であった。
見ながら夕飯をとったわけだがテレビを見ながらメシを喰うという事は久しくやっていない。ガキの頃に家族で食事する時はテレビをつけなかった。行儀が悪いのか目の前の食事に集中する事が食べ物や作った人への礼儀だと思ったのか両方なのかどちらも違うのか理由は知らないままだ。一人暮らしになっても食事時にテレビをつける事は少なくて今はそもそもつける事がほとんどないのでやはりつけない。この件は父が特にうるさかったように覚えているがその父は離れて暮らしている間にテレビをつけっぱなしにするようになったし食事の行儀も悪くなった。注意したらキレられた事があるのでもう何も言わない事にした。嫌悪感を催すほどではないし恥をかくのは彼の方だし気にしていないのなら俺はもう知らない。
父とは仲がそれほどよろしくなくかといって険悪でもなく離れていればいいけれど長く接しているとイラついてくる。その微妙な距離は離れて暮らしているその距離のままでいまは保たれている。この距離がどこかで崩れるのだろうと思うがその時は自分がどう対応するのかわからない。その時になってみるまでわからない。たぶん父はいろいろ脳内補完をして俺との関係をいいように勝手に改竄していると思うが昔は嫌だったがいまではそれならそれでいいやと思うようになったのは俺が歳を喰ったからだろう。許す許さないという話ではなく許さない部分はまだあるのだけれどあんたの人生好きにしてくれ俺も好きにするからという感じだ。それでいいではないか。面と向かって間違った事を言ったら訂正はするけれど。
休日派いせや日記
カミさんが行った事ないというので、井の頭公園に隣接している焼き鳥屋「いせや」へ行く。混むだろうが休日の早めの昼なら大丈夫だろうと狙って行くと、まだ開店前だった、少し並んでから入店。名物(と俺が勝手に思っている)シウマイと焼き鳥を何本か。周りを見ると昼から気持ちよさそうに酒を飲んでいる人ばかりで、ノンアルコールは我々くらい、コーラでも十分楽しい。ここには悪友Mと一度来た、あと本店にも一度。また誘おうか、悪友どもとの会も最近ないし。
喰い終わったら買い物をしながら帰宅。先日届いたThe Yellow Monkeyの2017年末に行われた東京ドームライブ公演DVDを見る、ライブDVDを見なくなってしまった、付けっ放しにする事がない、久し振りに最初から最後までしっかり鑑賞。カメラはドームならではの派手な演出はあまりとらえず、メンバーを、もちろんボーカルの吉井和哉に一番時間が割かれるが、しかしいつも以上にほかのメンバーを映す時間が長くて、それがとてもいい、表情やアイコンタクトがよくわかる。また時折挟まれるリハーサルやバックステージ風景も格別で、ライブでは演奏ではなくMVを流す形だったのでちと残念だった“Horizon”の時に、バックステージでアニーが「最高だな」と言ったり歌ったりしている姿がグッときた。この日は俺もここにいたはずなのにセットリストを忘れていて、新鮮な気持ちで見てしまった。
夕飯は豚肉とキャベツともやしの重ね蒸し、シーザーサラダ、白米、味噌汁。食後に練乳入りアイスラテを飲みながら、Netflixで『ベイウォッチ』。ぼーっと見られるくだらない映画が見たい、ロック様の新作を見に行けなかったので主演作のこれにした。バカ映画かと思ったら、思いのほかちゃんとしたバカ映画で、結構おもしろかった、バカ映画だけど。入浴。日記書き。読書。寝る。今夜も暑い。
休日派本六冊日記
しかし、己の勝手な「正しさ」で自由をこねくり回す傲慢さだったり、先々の予想やそれに伴う責任や覚悟を持っていなかったり、批判と脅迫の違いもわからなかったり、しっちゃかめっちゃかで、総じて(何だか、もう、アホらし……)というのが率直な気持ちだったりする。以上、昨日の続きでした。
朝起きたら、持病の頭痛なのか軽い脱水症状なのか、とにかく頭が痛くて、こりゃいかんと塩分と水分とって涼しい部屋でぐったりと過ごす。熱帯夜で眠れていないのか、転寝も。昼過ぎに何とか回復するも今日は無理をしないと決めて、外に出て昼飯を喰ったらファミレスに駆け込み、ドリンクバーと共に読書時間。一冊読み終えたあたりで店を出ると、夕飯を喰う約束していたTから「30分ほど遅れる」というメールが来たので時間つぶしに古本屋に入ったら、そのうち買うつもりで古本でも少し高いが定価よりは安くなっていたベケット『事の次第』と、文庫本で読んでいたけど大判の元本が欲しかった赤瀬川原平『東京ミキサー計画』があったので買ってしまう、余計な散財、余計ではないか、欲しかったのだから。
その後、Tと合流し、夕飯を喰ってから隣町まで散歩をし、その途中で図書館の近くを通るので予約本を回収、家を本二冊持って出て、六冊抱えて帰る事になるとは思わなかった。Tとは駅前のタリーズで雑談トークをして解散。帰宅、入浴、日記書き、読書、寝る。頭痛はすっかり止んでよかった。しかし脱水症状や熱中症には気をつけているのになりかかるとは、ますます気をつけなければ。