不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

蚊と存在

 厳戒態勢で絶対に蚊を入れさせなかった寝室に昨夜ついにどこからか一匹侵入し、寝ている間に刺されまくって痒みで起きた、起きたら耳のそばを例の音を立てて飛んで行った。キンカンを塗りに居間に行き、ついでに先日買っておいた「蚊がいなくなるスプレー」を持って戻り、ワンプッシュして再び寝に入ると一瞬プーンと聞こえたけれど、その後は音も聞こえず刺されもしなかった。「殺虫」ではなく「いなくなる」という表現は柔らかになったようだがその実もっと怖くなったように感じる、「殺す」より「いなくなる」方がホラーだ。「殺す」は存在を肯定している、「いなくなる」は存在を否定している。この間、カミさんは俺の起きたり動いたりの動作で少し起きたものの、刺される事もなければ蚊の音も聞く事もなく、横になったままだった、同じ人間だというのに蚊のターゲットになる/ならないでこれほど差があるものなのか。学生時代に悪友と夏休みに旅行をし、ある公園で一晩過ごす事にしたが俺が蚊に刺されまくるので諦めた、悪友は一箇所も刺されていなかった。蚊にとっては俺は存在し、カミさんや悪友は存在していない。