不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

湯たんぽの魂

 真冬はいつも湯たんぽを寝床にもぐりこませているのだが、その熱は動物の、それこそ丸まった猫のように思えて、だから朝起きて熱が失われていると、命を失ったかのように感じる事がしばしばある。数少ないが遺体に触れた時に「冷たいな」とすなおに思った。その冷たさは冬の寒さで悴んだ手足の表面的な冷たさではなく、この有機体が根底から熱を失った故のものだと触っただけでわかるものであった、その冷たさに似ている。熱を失うとは命を失う事と同じだ。蓋を開けてお湯を捨てると時折まだほんのりと温かい時もあって、それは魂が流れていくのと同じで、いまゆっくりと死んでいっているんだなと見ている。なんだか朝からやけに暗いようだが、本人はそうでもなくて、そこからがスタートなのだとも思う。