不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

東西南北は上下左右ではない

 カミさんが「あそこにある店さ」と話し出したのだが場所がわからず、空中に四角を描いて「下が駅だとしてどこらへんにあるの?」と上下左右のつもりで聞いたら、「こっち」と指したのが奥だったので「二次元で聞いたのに三次元の答えが返ってきた」と驚いた。その後も「ここにある店の横の細道を入っていった先」「だったら裏通りのアーケード街といえばすぐわかるよ」といった会話が続いた。カミさんは、まぁ極度といってもいいだろう方向音痴で、一回信号を右に曲がったら着く場所でも信号でないところで曲がったり、何なら左に複数回曲がったりする。聞くと一応理由(考え)あっての判断なのだが、今日の会話から地図を頭に描けないのだろうとよくわかった。俯瞰して見られないといえばいいか。「ここ、店が変わったね」という会話をしても忘れて、自分でそれに気づくまで情報が更新されなかったりするので、風景や場所に対しての処理速度と解像度が低いのかもしれない。一方俺は場所に対してはいいんだけど、人間に対しての解像度が低い。すれ違う人や店員の顔や服装について、あとでカミさんから「今の人、かわいかったね」と言われても全く覚えていない、見ていない。顔も名前も覚えるのが苦手だ。会話の最中にスイッチが切れる事もあるので処理速度も駄目。人間、得手不得手というものがあるものだから仕方ない、興味ないものは覚えられないのだ。だが俺は人間に興味がないにしても、カミさんは場所や風景に興味があるはずなのだが何故だろう。