この表紙はアリなんすか

　『SIGHT』2007年01月号を読む。版形が変わってからイマイチ面白くなくなってしまったが、毎号買ってしまっている。今月はブック・オブ・ザ・イヤーが掲載されているので、久し振りに楽しみだった。
　「文芸・評論」は高橋源一郎と斎藤美奈子。しょっぱなで藤原正彦『国家の品格』をけちょんけちょんに言っているので笑った。《おじさんが酒場で「日本人はすごいぞ」って言ってるのを聞くのを耐えられる人だけ、読める。あと説教されるのが好きな人は読める》（高橋）、《研究論文みたいに論が積み重なっていかない。その場限りなの》（斎藤）などなど。ちょっと意地悪く見過ぎな気もする。多分、二人とも内容をどうのこうのというより、この本が250万部売れた事に対して言いたい事が溜まってるんじゃないかと思う。星野博美『のりたまと煙突』、荒川洋治『文芸時評という感想』と読んだ作品が高評価だったのはちょっと嬉しかった。
　「エンターテインメント」は北上次郎と大森望。最近、この二人とは全然趣味が合わないな。南信長のマンガコラム、小田嶋隆の実用書についてのコラムと面白かった。いっそこれで一冊作ってくれ。
　前述したように、版形変わってからの『SIGHT』は、（右左関係なく）特集がイマイチ面白くない。しかし、連載はいいのが揃っている。中でも高橋源一郎の「世界の中心でなんか、叫ぶ」がいい。今回はいじめ問題。おお、シンクロ（？）。記事には朝日新聞で連載されている「いじめられている君へ」というコラムを高橋なりに書いているのだが、それがいい。俺はまだ甘っちょかったんだと反省したよ。何て書いてあるかは、雑誌を。さすがに発売されたばかりの雑誌の記事を引用するわけにはいかんからね。

SIGHT (サイト) 2007年 01月号 [雑誌]