不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

三月二日、落下、前日ディナー

 家で昼飯を喰ってから出かけて映画館へ。『落下の解剖学』を見る。それ自体が仕掛けの可能性もあるものの、フランスの裁判はあんなふうなのだろうか、ある程度の順番はあれどそれぞれが好き勝手に話し、しかも揣摩憶測、想像をどんどんと並べていく、気持ちを表明する質問でもないのに気持ちを言われても、好きではないし普段は使わないけれどつい「それってあなたの感想ですよね」といちいち口を挟みたくなってしまい、そっちばかりに気を取られてしまった。肝心の事件もいまいちスウィングせず。あれなら妻よりも夫の方が動き出しそうなのだが。そもそも理由ははっきりわからず、証拠の凶器もないのに警察はよく起訴できたな。監督や撮影の筆致は好みの方だけど、途中から退屈に。二十〜三十分は削るべき。正直眠くなったが異様に色気のある弁護士が見たくて起きていられた。何あの人。

 下北沢に移動し、いつものイタリアンで夕食。今宵は結婚記念日前日ディナーなのだが、その食事の前に選んだのが夫婦関係の破綻がネックの映画だったのはいいのかどうか、カミさんと話題になるも話題になったのだからよかったのだろう。考えてみれば我々は口論、喧嘩ってした事ないかもしれない。元同僚なので仕事上ではした事はあるけれど。フルコースをたっぷり食べる。来年もここで食べようか。