不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一月ニ八日、角川、猪木、マリオ

 荻窪近衛文麿の旧宅・荻外荘がある事は知っているが、その近くに角川書店創始者角川源義の旧宅もあって見学できると知ったカミさんに誘われてぶらぶら行ってみた。杉並区の管理なのであちこちに案内があるから迷わずに着く。正確には「角川庭園・幻戯山房」という名前で、入館は無料。ここで初めて源義は「げんぎ」と読み、長女の辺見じゅんが作った幻戯書房の名前もここからとられたのだと気づく(鈍いな私)。早速中に入ると係員がひょっこり出てきて「見学ですか、どうぞ。案内も必要であれば」と言うので、ぜひとお願いする。といっても、詩歌会や茶会が行われているので行ける範囲は狭かったが、近代数奇屋造はなかなか興味深かった、いい家だな。つい「こんな家に生まれ育った息子が、二人とも捕まっちゃったんですねぇ」と軽口を叩いてしまったが、係員も「悪い事をしちゃってね」と笑いながら返してくれた。庭も少し歩く、絵を描いている人がちらほらいた。

 近くにある荻窪図書館に行って併設しているカフェで一休み。駅まで戻り、吉祥寺に出て買い物をしてから帰宅。Amazon prime videoでアントニオ猪木をさがして』を何となく見始めるも、出演者の猪木への思いは当然否定しないけど、映画としては焦点の定まっていない何とも中途半端なドキュメンタリー。探さなくても猪木はいるよ。福山雅治のナレーションはクセが強すぎるし、ドラマパートはいらんと飛ばしてしまった。もうちょいちゃんとした猪木のドキュメンタリーを求む。

 夕飯を喰って、『光る君へ』第四回を見る。スタートからひと月目最後にこれぞ平安貴族という場と色合いのもとにメインどころ一堂が介し、ずっとすれ違っていたお互いの認識の一つが明らかになる今回、なかなかの脚本ではないか。勢いでAmazon prime videoで今度は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見る。評判の高さは聞いていたが、いやはやお見事。物語は典型的なパターンではあるが、そうすることで目の前の展開だけに集中できるようにして、小ネタ満載の「ゲームの映画」を存分に楽しませてくれる。映画館で子供に混じってキャッキャと楽しむのが一番の鑑賞だったかも。ピーチ姫を守られる、助けられる姫でなく、戦う姫にしたのがMVPで、おもしろさを倍増させていた。ゲームでもいまのピーチはあんな感じなのかな。私はゲームとしては『スーパーマリオワールド」(SFCで三十四年前!)までしかプレイしていないので、ペンギンや光るアレなど細かいネタは何なのかわからなかったが、知らなくても問題なし。ヒットするのも頷ける。

 のんびりしたつもりだが振り返ると意外と詰まった一日だった。