不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一月七日、枯れ葉、光る君へ

 昨日でカミさんも私も仕事がひとまず落ち着いたので今日は外出しよう、映画館初めがまだだから行こうと立川へ向かう。ラーメンが食べたかったので道中調べて、ここがよさげだなと決めて行ってみたら一度来た事がある店だった。覚えていないなら味は微妙なのではと思ったが、まぁもう一回食べてみようと入り、定番のつけ麺にしたらうまかったので、味が変わったのか前はぼんやり喰ったのか、どちらにせようまいのならよかった。新春セールが終わりに近づいているので百貨店なんぞをまわっていろいろ見るも何も買わずに終わる、本は一冊買った。

 シネマシティ1にて、アキ・カウリスマキ復活作『枯れ葉』が映画館初めで選んだ作品で、そこには人生が詰まっていた。マクロの社会/世界とミクロの生活との狭間でどうしようもない人生だと思っていても、ほんの少しの彩りでささやかでも確かに変わる、良い方向に。いつになく歌に託すところが多かったのは、声を大にして言いたかった事が多かったからか、それでもカウリスマキ節は健在、乾いたユーモアが最高。ところで、ローアングルでもフィックスカメラでもないけれど、そこかしこに赤色をポイントとして配置していたのは、もしかして敬愛する小津安二郎を意識していたからだろうか。戦争と生活という点では通底するところがある気がする。それにしても、今日ある映画の話をカミさんとしていたばかりに、まさにその作品が劇中に引用されて、驚きながら笑ってしまった。カミさん曰く「あの映画を楽しんで大笑いできるような人なら、いい人だね」、私もそう思う。

 ほくほくしながら地元に戻り、今度はソース味が食べたくなったので初めての広島焼きの店に入る。広島出身者には「広島焼きなんてありません」と真顔で怒られたけれど、この店は堂々と広島焼きと出しているので広島焼きなのだ。味はまあまあでした、お好み焼きより鉄板焼き料理がうまかった。帰宅し、カフェラテを淹れたらちょうど今年の大河ドラマ『光る君へ』の第一回放送の時間だったので、せっかくだからと見る。大河ドラマはたいがいキャストがいいけど、今作の配役とその演技がめっちゃええ。演出は地味だが抑制効いているとも言えて悪くない。まだ一回目だけど脚本もいい。権謀術数を駆使する貴族どもの中で、女を権力争いの道具にしたり「女なのに」と言われまくりながら筆を武器に、二つの意味でカウンターとして物語を描いていくのは、結構ラディカルで期待させるものあり。とはいえ主演二人はまだ登場していないし、史実の脚色がどんな塩梅なのかはわからんが、不明な箇所は脚色して突っ走りそうな気配、それはそれでよい。次回も見るかな。

 いい作品を二つ見られて、ほくほくの一日。