不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一一月二三日、藤子・F・不二雄

 本日は北野武最新作『首』公開日で、自称キタニストである私は当然初日、なんなら初回に駆けつけるはずだったのだが、のっぴきならない事情で後日に延ばした。そののっぴきならない事情とは本日が甥っ子の誕生日でもあり、「一緒にここへ行こう」と誘われていたのである、甥っ子には勝てない。そして「ここ」とは、神奈川県川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアムであった。

 登戸駅で待ち合わせて、専用バスで十分で到着。完全予約制で姉がとってくれた。できた当初から一度は来たかった。姉と私が幼少の頃、家には藤子不二雄(FもAも)と玖保キリコ手塚治虫の漫画が豊富にあった、あとジブリ。F氏亡き後の作品は触れていない、藤子プロが意思を継いでいるであろうとは思うが、F氏が存命だったらジャン・レノドラえもんをやらせるようなCMを許したかと疑問でもある。ともあれ、私の基盤の一つであろうF氏のミュージアムを楽しみにしていたのだが、いやはや、情報が多く、あれもこれも知っているし、知っているけれど楽しいし、細部までネタが詰まっているしで期待以上。ただ「ドラえもん」がメインを陣取るのは仕方ないにせよ、もう少しF氏の別の作品や人となり、もっと違った一面、「こんな作品が!」という驚きも欲しかった、というのは贅沢かな。そのつど変わる企画展をチェックしてまた来るしかないか。これほど子供と外国人が多いミュージアム鑑賞は初めてかもしれない、わちゃわちゃしているのが気にならないのもおもしろい。外国人はアジア系ばかりだったが、欧米人はF氏に興味なし?

 展示を見終わったのがお昼頃でミュージアム内カフェに入ろうとするも、同じように考えている人も大勢いて百五分待ちと言われたのですぐに切り替えて、グッズを買ってからバスで駅前に戻る。ラーメン屋が多い道があったのでそのうち一つに入ったのだがこれが大失敗、まずかないけどうまくもない虚無の味、隣を見たら姉も同じように能面のようになっていた。さっさと食べて、電車で新宿に出る。久々の新宿は花園神社が二の酉で人が多い。うまくMUJI CAFEに入り、ようやく落ち着く。だらだらと過ごし、少し早い時間だけど伊勢丹へ移動し、甥っ子のリクエストらしい天一で天丼、ずいぶん舌の肥えた小学生だ。昼飯からあまり時間が空いていなかったが、うまいものはスルッと入る、異様に満腹になってしまったけれど。

 解散。甥っ子よ、誕生日おめでとう。なおプレゼントは先にAmazonで送った。