不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

九月二日、次のソヒは明日の私

 鍵をかける音で目を覚ます、カミさんが仕事で出掛けていった。起きて猫を膝に乗せながら朝食。ぶらぶらと外出し、映画館へ。前の回が山田洋次の新作で終わるやご高齢の方々がぞろぞろと出てきて、ここが観客層なんだなとわかった。私が見たのは『あしたの少女』。予告からわかっていたとはいえ、誰もが誰かの首を真綿で締め続ける地獄で光る生の輝きの残酷さ、その地獄への静かだが確かな怒りが込められた一作。現実でこの先にちゃんと進展できたのが唯一の救いか。描かない事で描く脚本、演出がいい。中でもユジン刑事の、ソヒの友人たちへの短い言葉こそが必要なものなのだろう。ぺ・ドゥナがすばらしかった、何より立ち姿が絶品、かっこよかった。人物として「そうなって」しまったわけだが、つい「かっこいいな」と思ってしまう。私はかっこいい女性が好き(見かけだけでなく)。改めていい俳優だとわかる。成績という数字偏重社会、労働環境、ブラックな働き方など、全く状況は違えど、いまの自分は身につまされるものがあって、見終わった後、一人で飯を食ったり喫茶店に入ったり歩いたりしながら、じっくりと考え込んでしまった。仕事終わりのカミさんと合流し、夕飯を食って帰宅。作っておいたアイスラテを飲んでいたら、友人Tから電話、「コロナにかかりました」、君もか。辛そうなので短めに切るつもりが一時間近く喋ってしまった。やはり感染が拡大している、注意してもしきれない、これまで通り気をつけていく他ない。


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