不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

勝手にやればいい

数年前に学生と話した時に『漫画はYouTubeなどに比べてコミュニケーションに使うにはコストが高い』と言われた話 - Togetter

 タイパという言葉を初めて知ったが、要するに「時間的にも費用的にも漫画をコミュニケーションに使うには高い」という事らしい。その発想、認識ならばファスト映画や一・五倍の速さで見る人の存在も頷ける、これらが若い人だけの話なのかよく知らないが。それにしても漫画などエンターテインメントをコミュニケーションツールとする発想や認識に驚いたのだが、しかし昔だってこのテレビ番組を見ていないと、このゲームをやっていないとクラスの会話についていけないという事があっただろうから同じといえば同じかもしれない。もっとも私はついていけなくても気にしないのでそういう焦燥感は全くなかったけれど、いまの若い人たちの方がコミュニケーションに切実な気もする、当たり前のようにネットがありSNSがあるのだから。だからそうなんだと理解はするが、それで終わる。

 「いまの若い人はこう」という言説に興味がわかないのは、自分が若い時に上の世代に理解されたいと思った事がないし、上の世代の認識や感覚を理解はするが(それはある意味で歴史なので)無理に納得しようとした事がないからだ。世代論というのは好きではないけれど世代で区切られているのは確かであって、それは仕方ないものだと思っている。若者に関わる仕事の人は対応せねばならないから大変だろうが、彼・彼女らがメールやLINEで「句点を使ったら冷たく感じる」なんて知った事か。そっちはそっちでオッサンたちの事なんか知った事かと、勝手にやっていけばいい。以前、山下達郎が「同世代の人に向けてメッセージを」と聞かれて、《「ベタですけど、“大変な時代になりましたが、お互いがんばりましょう”ということですね」》と言い、直後「では、下の世代の人に向けてひとこと」と聞いたら《「ジジイの御託には耳を貸すな」》と言ったのを思い出した*1