不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

九月三日、弾丸列車

 黒猫の通院をしてから、立川へ。昨年末にできたばかりらしい、GALERA TACHIKAWAというフードコート的な幾つかの店が集まったスポットに行き、立ち食い寿司をつまむ、高めだけどそのぶんうまい。時間を潰してから、シネマシティ・ワンで、『BULLET BALLET』が「バレット・バレエ」なら、こちらは「バレット・トレイン」ではないのかと疑問な『ブレット・トレイン』を見る。

 因果に絡みとられるなかで自らの運命を手繰り寄せようする者たちの物語は、最終的に“Let it be”(あるがまま)が流れてきてもおかしくないような大団円、なわけはなく、むしろ「もうええわ……」と嘆息をついてしまう悪運持ちのための一作なので、悪運ではないが運無き者としては勇気づけられる事もなくもないのかもしれない、やっぱりされないかな。濃い設定のキャラが渋滞しそうなのを手際よく交通整理し、背景描写も取捨選択が巧妙で、シリアスの中にユーモアをうちこんでシリアスをジョークにして、流血は遠慮なし、そして軽妙なセリフのやりとりとセンス抜群。何よりブラッド・ピットの洒脱さが映える。そのぶんカメオ出演の方々は正直ノイズでした。予告から予想通り期待通りの楽しい映画で大満足。

 オリオン書房を覗いたらフロアが縮小されており、文芸棚にいたっては以前の三分の一もない程度、仕方ないのだろうがやはり悲しく寂しい。再びフードコートに行き、今度は春巻きの店で夕飯。ルミネ地下のやなか珈琲で豆を買って帰宅。