不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

Hasta la vista, baby

 ボリス・ジョンソンが首相としての最後の答弁のラストに「Hasta la vista, baby」と言ったとして話題になったが、その和訳はどの報道も「また会おう、ベイビー」だった。言うまでもなく『ターミネーター2』の名台詞なのだが、劇中字幕では「地獄で会おうぜ、ベイビー」で、実はこれが誤訳とは言わないが意訳に近かった事を公開時に見てから三十一年経って知るとは思わなかった。オノレ戸田奈津子、と恨みそうになったが、映画を思い返すと、軽いヤンキーであるジョン・コナーが決め台詞として教え、あの朴訥とした(感情のないはずの)T-800が言うのなら、ややダサい「地獄で会おうぜ、ベイビー」の方が合っている気もするので、戸田奈津子は恨まない事にする。この日記を書くのに検索したら、Wikipediaによると《映画のヨーロッパスペイン語版では、この言い回しはスペイン語話者の観客にもそのおどけた感じを失わないようにするために日本語を使って「Sayonara, baby」と吹替えされた》*1そうである。そしてこれも最近知ったのだが、日本語圏外では「sayonara」は「永遠の別れ」くらい強い言い回しに思われているそうな。本当かどうかは知らないが、だとするならこれもまた合っている気がする。