不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

六月二〇日、スパイ容疑

 検索したらタイミングのいい上映時間を見つけたので映画チケットを予約。昼飯を喰ってから、『オフィサー・アンド・スパイ』を見る。ドレフュス事件を扱った作品で、と書いておきながら事件を詳しく知っているわけではないのだがともあれ、サササッと上辺だけを描くタメも躊躇いもない流麗な筆遣いに感心しながら見ていくうちに事件が立体的になる手腕はお見事。わからない人は置いていく冷淡さも感じた、何で決闘していたのだろう。ただそのぶん深みもなくて、見終わった後は特に語るものもなかったりする。正義というより己(や属する組織)の確固たる信念や思想、それに基づく姿勢が寄る辺になったり、人に優しくも冷たくもなる。映画から感情を排したのはそれを見せるのが狙いか。にしても、まさか冤罪のドレフュスに自分を投影していないだろうな、ポランスキー……。帰宅。茶を飲んでぼんやり。夕飯を喰って夜の散歩、Tが近くまで来たからと小一時間ほど立ち話。