不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ケンちゃんラーメンはいつまで新発売だったのだろう

 「全員集合」には間に合わなかった、「大爆笑」はたまに見ていた、「ひょうきん族」はあまり見なかった、俺がもっとも熱心に見ていたのは「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」だ。それから「だいじょうぶだぁ」も。特に「ごきげんテレビ」の二人が探偵として奮闘する短編ドラマコントが好きだった。

 覚えているシーンがある。受話器が二つついた電話が鳴って、二人が取ると「私だ」と向こう側が言う。彼らのボスだ。二人は姿勢を正してボスからの指示を聞き、毎回そこから話が始まるのだが、ある回で、たぶんこのコントを番組でしばらくやらなかったのだろう、電話が鳴り、いつものように「私だ」とボスが言うが、彼らはすっかり忘れていて、「どなたですか?」と聞き直す。聞いた話ではこのボスの声はTBSのスタッフが担当していたらしい。困惑しながら「私だ」と繰り返し、「だからどなたですか?」「『わたしだ』さんですか?」と二人が問い続ける。ボスの人が笑いを堪えているのが視聴者にもわかる。二人のアドリブだったのだろう。ある程度のところで気づいて、慌てて姿勢を正して話を聞く……。

 いまでもこんなふうにコントの一幕を覚えている。その後見直していないので本当にこういうシーンがあったかどうかは確かめていないが、それはたいした事ではない、俺の記憶に彼らで笑った事だけがあればいい。PCエンジンのゲームもよくやっていた。最近はほとんど見る事はなかったけれど、間違いなく、俺はあなたで笑っていた、爆笑していた。偉大なコメディアンだった。