不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

葬式バイオリン

 通夜では読経の際に参席した人たちも声を出して読む、お経の合唱のような事になった。そういう宗派らしいのだが、当然みんなよく聞くお経の読み方をしていて、誰か一人くらい甲高い声だったりトンチンカンなイントネーションで読んだりしたらおもしろいのにと思った、俺はやらないが。葬式の方はいたって普通だったが、読経が終わったらバイオリンの生演奏が始まった。葬式でバイオリンは初めて、ジイさんが好きで頼んだのかと思ったらそうではなく、誰もが驚いていたという。本当か、いくらなんでも唐突すぎて怒る人がいそうだ、驚いているうちに演奏が終わって有耶無耶にしているのか、しかしその後も、納棺や棺を霊柩車に運ぶ際にBGMとして弾き続けていた。演奏自体はなかなかよかったが、変な気分のままだった。結婚式は個人の好みが前に出るものだが、通夜葬式は宗派や地域さが出るので、結構おもしろい、というと不謹慎かもしれないが、俺ならおもしろがって見送って欲しい、まぁ通夜葬式は生き残った者のためにあるものだけど。