不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

読書の日記/の日記

 阿久津隆『読書の日記』(NUMABOOKS)。初台のブックカフェfuzkueの店主が、店のサイトで連載している日記をまとめたもの。webで常に読んでいるけど改めて紙の本になると聞いて楽しみにしていたのだが、日記の本になる過程を読んでいると「チェックで200ページまで読んだ、まだ二月」「600ページまで来た」みたいな事を書いていたので、一体全部何ページの本になるのかと思っていたら、千ページ超えになるとは思わなかった、しかもこれでたった一年分である、日記好きとして結構な数の日記を読んできたが、たぶん最大の分量であろう。
 過剰に饒舌な、読書と経営と生活の記録。凛とした瞬間、破綻の瞬間もあり、嘘も本当も、今日も昨日もある、日記のような小説で、小説のような日記。俺はこの人の文章を結構前から読んでいる、はてなダイアリーで書いている頃からだ。もうプライベートモードになって読めなくなってしまったが、できればあれもまた読みたいと思っている。おもしろい書き手がブログを書かなくなるのは仕方ないのだが、書いたものは読めるように残しておいて欲しい。読みたい人もいるんですよ。いや、この著者は別のところで書いているのでまだいいのだが。そういえば「きのうきょう通信」という好きなブログがあったのだが、あのテキストをまた読みたいものだなぁ。
 岡山でカフェを、そして東京でブックカフェを開く事も早い段階で知ったが、どちらも一度も行っていない。そのうち行きたい、と思って時間が経っていく。ただ相変わらず書くものがおもしろくて、随時読んでいる。著者がおもしろいと思う本を、必ずしも俺がおもしろいとは思わず、好みも趣味も違うのだが、そういった違いも楽しんで読んでいる。おそらく結構加筆があったであろう、この紙の日記も存分に楽しんだ。日記の中にあったが小説も書かれているようで、かつてPDFで公開された一篇はダウンロードして読んだが、新しいものはどこかで発表されるのだろうか。これはこれで楽しみにしている、読書の日記も、日記の読書もまだまだ続いていく。

読書の日記

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