ノーマン・マルコム 『ウィトゲンシュタイン―天才哲学者の思い出』(平凡社ライブラリー 、板坂元訳)。著作を読んでみたいけど評伝でお茶を濁すの巻。見た目も生活も交流録も生き方も、これぞ「かっこいい哲学者」というイメージのままなウィトゲンシュタイン。考え抜いて苦悩してきた哲学者の最後の言葉が「僕の人生はすばらしかったと、みんなに言って下さい」で、著者は「ヴィトゲンシュタインの人生は、ひどく不幸なものだったと私は考えたくなる。…私には、彼の最後の言葉は不可解である」と書いているのが、また興味深い。本書に出てくる哲学話は結構おもしろかったので、彼自身の著書にも挑戦したい。そのうち。たぶん。
変人エピソードでおもしろかったのは、アメリカで自室の金網を外そうとしたが「虫がすごい」と言われ、他の家にも金網があったのを確認したら、相手の弁を認めるのではなく「アメリカ人は金網が必要だという点について、こぞって浅はかな偏見にとらわれている」という結論に達したこと。言いがかりやんけ。
- 作者: ノーマン・マルコム,板坂元
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