不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ようやく読書熱再燃

 今回の熱下がりは長かった気がするな。
 ピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』(文春文庫、橘明美訳)。これまでのシリーズ同様、今作も構成が光っており、一日がやけに長い一方、物語がなかなかドライブしないジレンマがカミーユの感情にリンクする作りが巧妙。だけど、今作は構成の妙ではなく、眼目はカミーユのボロボロの心身である。ある人物の独白が最後にああいう形になるとは。グッとくる完結編なんだけど、カミーユがボロボロのままではかわいそうだなぁ、とも思ったりしてしまった。

 玉袋筋太郎+プロレス伝統継承委員会『プロレス取調室』(毎日新聞出版。まー、おもしろかったですね。昭和プロレスは特濃ですよ。特に鶴見五郎が最高。国際プロレスは本当に国際的だな。ただ、俺はもうちょい下の世代なので、そこらへんの人も続編で出してほしい。あと外国人選手にも。シンとかね。
抱腹絶倒!! プロレス取調室 ~昭和レスラー夢のオールスター編~

抱腹絶倒!! プロレス取調室 ~昭和レスラー夢のオールスター編~

  呉智英吉本隆明という「共同幻想」』(ちくま文庫。「吉本を読んでなくても面白い!」という帯文通り、おもしろかった。吉本は難解(というか下手)な文章だから何を言っているかわからん、と身も蓋もない事を言いながら解説・分析・批判している。吉本だけでなく当時の空気や思想への批判でもあり。呉智英、おもしろいわ。