不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

さぶろく

「おまえ、今日誕生日なの?」
「そうですよ」
「へー……生意気な」
「え?」
 まさか歳を喰っただけで上司から生意気と言われるとは思わなかった。どないせいっちゅうねん。歳喰わなくていいなら喰わんわ。まぁ祝福がてらからかおうと思ったら適当な言葉が浮かばなくて言っちゃっただけだろうけれど。
 そんなわけで、生意気にもまた一つ歳を喰ったわけであります。36歳、どこからでも割り切れそうで居心地の悪い年男。いわゆるアラフォーってやつになったのかな。
 昨年予想した通り、そしてその後の日記をお読みいただければお分かりだろうが、とにかくこの一年は世間もいろいろあったけれど、私的にもいろいろとあった。言うまでもなく、最大のイベントは転職(チーム移籍)なのだが、小さいながらもニュースになるとは思わなかったので驚きだ。悪意やら思い込みによる批判やら様々な事を体験し、この歳で大きな勉強になった。この学習が活かせるような事態は二度と御免ではあるが。次の一年はもう少し穏やかに過ごしたいものだ。
 またそんな中でも(そんな中だから、かな)、私は私の立ち位置や立ち振る舞い、また物事への距離感などを改めて確認できたりもして、毎年書く下の座右の銘みたいなものもあながち外れていないな、なんて事も思いました。
 ところで、エレファントカシマシ宮本浩次が、好きな作家が自分と同い年の時に何をしていたのかを調べて「ああ、まだ大丈夫だ」と確認してしまう、とドキュメンタリー『扉の向こう』で話していたが、私もついやってしまう時がある。平凡な一般人が何を比較する事があると自分でも思うのだが。ちなみに『苦節十年記』(ちくま文庫)で簡単に調べられるのでつげ義春と比べるんだけど、対象がつげ義春というのは何だかいろいろとねじ曲がっている気がしないでもない。つげ先生、三十五、三十六歳の時は温泉などの取材しかしていないようです。
 まぁ何かを創造するというわけでなく、ちょっとでもいいのでいい事を起こせるといいな、また起こるといいなと思い、そのために頑張っていきたいと思います。いい歳のオッサンがふわふわした物言いで恐縮ですが。


 漂えど沈まず、和して同ぜず、一灯掲げて暗夜行く。


 俺と彼方に、愛と息災と幸運を。