ミシェル・ウエルベック『服従』(河出書房新社、大塚桃訳)。転向小説であり、少し先の有り得る未来という観点からある種のSFでもあり、またある意味でSMにも読めた。だが、これをディストピアとは俺は言えないなぁ。設定が設定だし、発売されたのがあの事件当日というせいで、やけにセンセーショナルな売り出し方をされているけれど、たしかにおもしろかったがそのわりには地味な物語で、やたら騒がしい帯文が読後はより空々しく感じてしまう。佐藤優の解説は佐藤優だなと思う文と内容で、まぁ、うん、あれはあれでいいんでないかな……いらんけど。あと、この訳者は初めて見る名前で、経歴に「訳書多数」と書かれているが検索しても本書以外は出てこない。何者だろう、誰かの変名だろうか(何のために?)。
- 作者: ミシェルウエルベック,佐藤優,大塚桃
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/11
- メディア: 単行本
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- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/08/27
- メディア: 単行本
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