不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

最近読んだ本の中から

 ヴィクトル・ペレーヴィン『ジェネレーション〈P〉』 (東海晃久訳、河出書房新社。〈P〉はペプシのP。はっきり言ってメチャクチャなのに、現実と地続きと感じられるからすごい。ソ連崩壊後の世界の進行と、文明(文化?)崩壊とを重ねて、果てに辿り着いた場所がまたえらいところである。ある種のメディア/広告/消費論でもあり。何だか足場が崩れていく錯覚が。ぐえ。

ジェネレーション〈P〉

ジェネレーション〈P〉

 高野秀行『怪獣記』(講談社。怪獣「ジャナワール」を追ってトルコへ。トルコ国内を東奔西走、本物か嘘か幻か、クソ真面目に取材を続けて、いつの間にやらイスラム復興主義やクルド問題にまで踏み込んで、ついに目の前に現れた未知の物体。『ソマリランド』と比べちゃうと薄く感じるけど、十分に濃い一冊。
怪獣記

怪獣記

 村松友視ヤスケンの海』(幻冬舎文庫。そういや読んだ事なかったので。正直ヤスケンの破天荒っぷりよりも、著者の村松友視の方がいろいろひどい気がするぞ。脇道になるが、様々な人の大江健三郎評を読むにつれ、文学作品の評価はともかく、人間としては駄目人間だなとわかった。
ヤスケンの海 (幻冬舎文庫)

ヤスケンの海 (幻冬舎文庫)