ここで公言したように、三島由紀夫に手を出していて、まずは『金閣寺』を読んでいるのだが、これが結構読むのが大変。完成されている文章は楽しんでいるのだが、物語にどうにも入る事ができないのだ。そういう話だとわかっていても、考えすぎ、大げさなんて思ってしまって遅々と進まない。読み終えるのはいつになるやら。
それはそれとして、最近読んだ本は――。
ミシェル・ウエルベック『地図と領土』(筑摩書房、野崎歓訳)。名前は知っていたが読むのは初めてウエルベック。一人の芸術家の生涯を追う事で、芸術への追及とそれに付随する孤独と破綻を描き、その一方で芸術と資本の結びつきを皮肉っている構図がおもしろい。また、それをこの二つの単語によるタイトルで見事に表しているのにも感心した。実在の人物がどしどし出てきて、作品によっては鼻につく事が多いのだが、本書は洗練されていて、効いていた。主人公の芸術活動も目に浮かんでくるような描写で、妙な説得力があった。「ウエルベック」という作家が登場するのだが、この「自己言及」「自作自演」は、俺は彼の本を初めて読んだのもあってか、あまり気にならず。なんにせよ、他のも読んでみよう。
- 作者: ミシェルウエルベック,Michel Houellebecq,野崎歓
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/25
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- 作者: 植田まさし
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