不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

72時間後の先は


 『スリーデイズ』(監督・脚本・製作/ポール・ハギス、出演/ラッセル・クロウエリザベス・バンクス。スリルとサスペンスはそれなりにあったんだけど、どうにも抜けが悪い。細部にまでこだわり、3年前、3カ月前、3日前という流れや、部屋の壁紙の使い方、プランの練りとその準備などの演出は見応えたっぷりだが、そのせいで130分とかなり長くなっていた。綿密な描き込みからドラマを作り上げようとしたのだが、かったるい。3日前からに絞り切った方がよかったのでは。
 綿密なのに空白あり。その空白は言うならドラマ部分で、愛と狂気なのか、愛の狂気なのか、狂気の愛なのかが見えてこない。それは人間が見えないとも言えるかもしれない。致命的なのがラッセル・クロウが貫禄と迫力があるところだろう。あるシーンで銃を構えている様は、どう見ても撃ちなれてる姿。それ以外でも怯えや葛藤があまりに見えなかった。
 あと、これは個人の好みかもしれないけど、この結末のあと彼らはどうなってしまうんだろうなぁと心配になってしまった。逃げた先に楽園なんてありはしない。それでも愛する人と過ごしたかった、のかなぁ。