不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

咲け、花

 吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011 at NHKホールへ行った。吉井自身13年ぶりらしいNHKホールは節電の試験開始日だったらしく、その件で「試されてるぜ、俺たちッ! でもライヴは熱いほうがいいもんねッ! ……痩せるよ?」とノリノリなMCをかましたように、冒頭から演奏はかっちりまとまっていて、期待できるなと思い始めたところに“Chelsea Girl”なんていい感じに古くてなつかしいアッパーな曲をかましてきて、吉井はご機嫌で4曲目にして客席まで行ってそのパフォーマンスの熱にあてられてしまった。
 セットリストはZEPP TOKYOと数曲違いでほぼ同じとなると、どれくらい完成度が高まったか気になるところだが予想以上にできあがっていて、特にリズム隊はZEPPの時より数段よく、終盤のベースの絡み方はこれまでで一番よかったように思う。肝心の吉井がギターをとちっていたりしたけど、まぁご愛嬌か。
 期待していた“球根”はまあまあだったんだけど、初めてライブで聞く“Goodbye Lonely”は白眉のパフォーマンスと言ってよかったが、次の“SWEET & SWEET”へのつなぎはずいぶん無理やりだったかな。お粗末な演奏だった“HIGH & LOW”はテンポを速めて、これまた格段にうまくなっており、しかもコーラス隊も進歩していて思わず笑ってしまったよ。そして“FLOWER”の力強さと、ちょっと淡泊な感じも相変わらず。これ、もう少しアウトロひっぱってもいい気がするなぁ。
 妙な使命感を背負っちゃうとたいへんだし、メッセージ性が強いのはちょっと嫌なんだけど、しかしそもそもいろんなものを背負って生きていて、しかもロックの化身みたいな人間なので、いたしかたない気もする。そんなこちらの不安をよそに「何故歌うか」を明確にして生と性と死と喜びをパフォーマンスとしてバーストさせているんだから脱帽ものだ。
 無敵のロックスター、ここに在り、を見せつけたコンサートだった。
《顎と肩の力だけで陸にたどり着いた
 ウミガメのようにポジティブでいっぱいな涙を
 流しながら さあ歌おう
 GOODBYE LONELY GOODBYE LONELY》

set list
01.The Apples
02.ACIDWOMAN
03.VS
04.Chelsea Girl(The Yellow Monkey
05.ロンサムジョージ
06.イースター
07.欲望
08.おじぎ草
09.球根(The Yellow Monkey
10.MUSIC
11.クランベリー
12.シュレッダー
13.ONE DAY
14.Goodbye Lonely
15.SWEET & SWEET(The Yellow Monkey
16.ビルマニア
17.LOVE & PEACE


en.
01.HIGH & LOW
02.CHAO CHAO
03.WEEKENDER
04.FLOWER