もはや毎年恒例、吉井和哉「YOSHII BUDOKAN 2008」へ行く。
一応、ステージは北部に設置されているが、後部が完全に開放されており、360度人で埋まっている。
前座でダチョウ倶楽部が登場。一瞬、誰かわからなかった。何のつかみもせず、場もあっためずに引き上げていく。うーむ、これがダチョウ倶楽部クオリティか（違う）。
一曲目は何で来るのか、まさか前回のツアーと同じじゃないだろな、と思っているところに鳴り響くロックンロール。新曲“ビルマニア”。疾走するギターと歌詞。かっちょよいではないか。
続いて、短いドラムソロから始まる“I CAN BE SHIT,MAMA”。『SICKS』で一番好きな曲だ。途中の口笛がギターに代わっている。自信ないのか？ ヘビーでダークでユーモアたっぷり。
最近の定番曲が続き、聞こえてきたのは“NAI”。イエローモンキー隠れた名曲。ただ、若干テンポが速い。もう少しゆっくりの方がぐっとくるのに。
“Call Me”“TALI”と必殺のシングル曲の後に、カバーでRadiohead“creep”。意外と声は合っていた。
しかし、ノイズギターを入れないアレンジになっていた。キレイにまとめたかったのか、と思ったところに、吉井がギターを掻き毟る。ぐわ、“天国旅行”だ！ 《薄れていく意識の中のVTRは回る》。これまた暗くて、重くて、笑いがあって。本当に『SICKS』はマスターピースだよ。
“シュレッダー”（往年の名曲化）“SNOW”（新曲。音としてはちょっと退屈）“バッカ”（歌がよくなったなぁ。しみる）とミドルテンポの歌い上げる曲が続く。「Dragon head miracle tour」がロックがんがんのセットリストだったから、今回は歌いまくりたかったのかな。
なんて予想に反して本編最後は“WEEKENDER”でヒートアップ、全力疾走。
アンコールで出てきたら、なんか変な格好してる。黄色いものをしょってる。「スペシャルゲストで、ポニョのフジマキです！」。あーー！ 似てる！ そっくり！ むしろ本人！！ ってオマエがスペシャルゲストかい！ 大笑い。その格好のまま映画主題歌を。うめーなおい。
“I WANT YOU I NEED YOU”“くちびるモーション”“マンチー”“見てないようで見てる”と本編とは打って変わったハイテンポ、ロックンロール、アゲアゲで攻めまくる。
ラストは“FINAL COUNTDOWN”。会場の電気がついて、360度埋め尽くされた人が全員腕を上げ下げしながら、歌う。すさまじい高揚感と多幸感。踊りまくる。
いやー、楽しかった。昨年のように意識が断ち切られる事もなく、最後まで堪能。メカラウロコのように、ちょっとマニアックな選曲がいい。もっとマニアックにしてもいいぞ。
ただ、ちょっと演奏のかみ合わせが悪かった気もする。ズレというほど大きなものではないが、散漫だった。毎回メンバーが違うってのが原因だろうか。でも、ソロだから仕方ないといえば仕方ない。
一時期「ん？」と思っていたが、今回の武道館で？は吹き飛んだ。3月に出るというニューアルバムが楽しみ。
《あぁ静かな夜さ時の流れを感じる
スピードに乗せて心の彼方までコインはじく
裏か表か答えは100年後に知るだろう
はにかんで俺の頭なででるおまえと楽しみたい》
（“I CAN BE SHIT,MAMA”）
set list
01.ビルマニア
02.I CAN BE SHIT,MAMA
03.Do The Flipping
05.黄金バット
05.SIDE BY SIDE
06.ルーザー
07.BLOWN UP CHILDREN
07.NAI
08.Call Me
09.TALI
10.creep（Radiohead)
11.天国旅行
12.シュレッダー
13.SNOW
14.バッカ
15.WEEKENDER
en
01.崖の上のポニョ♪
02.I WANT YOU I NEED YOU
03.くちびるモーション
04.マンチー
06.見てないようで見てる
07.FINAL COUNTDOWN
