不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派平成中村座日記

 浅草で姉と後輩と待ち合わせ。日曜午前10時30分というのに、雷門前は人でごった返している。外人さんも多い。仲見世通りを揚げまんじゅうをつまみながら進み、浅草寺本堂の裏へ。どーんと小屋ができている。
 今日は平成中村座十月大歌舞伎だ。中村勘三郎のファンとしては、是非とも行きたかった。演目は仮名手本忠臣蔵。当然、全段はできないので、大序、二段目、三段目、四段目まで。物語でいえば、刃傷沙汰から切腹、仇討の決意まで。
 中村座はこれまで「法界坊」「夏祭浪速鑑」と見た。串田和美の斬新で奔放な演出だったが、今回は古典に還った。間をとったしゃべり方や動作で、にわかな俺は少しやきもきしてしまったが、ピンと緊張した空気が伝わってくる。
 四段目の切腹シーン。俺は先に落語の「淀五郎」で知っているシーンだったので、「由良之助、待ち兼ねた〜」というセリフにニヤッとしてしまった。
 終了したのは3時。幕間、仲入りに太巻きやひれかつ寿司なんぞをつまんでいたが、逆に腹が減ったので大黒屋で天丼。タレたっぷり。うまし。できればみそ汁も欲しかった。食後、ぶらぶらしながら団子、ソフトクリームを食べ歩き。おみくじを引いたら凶。ぐえ。
 16時30分くらいに、再び中村座へ。午後も、なのだ。今回は4つのプログラムがあって、適当にエントリーしたら同日の午前午後で当たってしまった。午前はAで、午後はB。Bは五、六、七段に十一段。つまり、討ち入りが見られる。やっほい。
 このプログラムでは、メインの仇討ではなく、サブの勘平・おかるの話。庶民の話なので、Aよかわかりやすい。
 勘三郎演ずる勘平の自害シーンは、腹切ってから長生きしすぎとは思いつつ、覚悟が伝わってくる。
 4時間近いので、やや疲れてきたところに討ち入り。ここまでためにためたのを爆発させるかのようにテンポよい立ち合い。雪降る中で、見事討ちとったり!
 おもしろかった。歌舞伎もっと見たいね。
 はーやれやれ、と会場の外に出ると大雨。ぐえ、夜遅くじゃないのか。仕方なく、店の軒先やアーケードを使って駅まで。本当は、コーヒーでも飲みながら語らいたいのだが*1、雨だし疲れているので、解散。
 とっとと帰り、ゆっくり入浴。座っているだけとはいえ、昼夜と計8時間近く集中して舞台を見ると疲れる。明日会社行きたくないぜ。

*1:大学の教授から、作品を見てキャッフェで語らうのが、真の意味でその作品を見た事になる、と教わった。たぶん、そんな事を言っていたはず。あんまり覚えていないが。