NHK「にんげんドキュメント 横尾忠則・70歳の“Y字路”」を見る。
喋っている横尾忠則を見るのは初めて。何となく山本寛斎みたいにハイテンションな人だと想像していたが、真逆で淡々とした人だった。そんなに表情変わらないし。無表情ってわけじゃないのだが、不思議な「顔」だった。
“Y字路”を見た時は衝撃だった。不気味で、魅力ある。今までの横尾作品より、ずっとずっと好き。特に最初に描いた、あまり横尾の「想像」の部分が少ない絵がとても良かったな。
インタビュアー「完成は近いですか?」
横尾「遠いよ……」
イ「遠いんですか?」
横「え、いや、近いよ。犯人はもうわかって、あとはどうやって逮捕するかですね」
「自分の過去の作品を見ると、絶対に筆を入れたくなる」とかつて語っていた。画家としていいか悪いかはわからないが、横尾忠則にとって「完成」はどこまでも「遠い」ものなんだろうな。