不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

今年の三冊

 結構悩んだが、この三冊が印象に残っている。小説がイマイチだった年だった。というか、年々小説を読む数が減っているので、来年はもう少し読んでいこうと思う。あと、骨太の作品ってやつがないな。「骨太」って何を指してそう表現するのかはわかりませんが。
 米原万里は書評本なのだが、文章がうまく、その上、面白い。書評で面白い、というのは初めてだった。今年6月に死去。がんに侵されながら書いた文は鬼気迫るものがあった。
 星野博美はこの本だけでなく、今年出合った作家。この人のスタンスや立ち位置は独特で面白い。時々クビを傾げる事もあったが、ぶれない視線はすばらしかった。次に何を書くかが気になる。
 向井さんのは、知り合いだから、というのを置いておいても、すばらしいエッセイだった。今年一番人に勧めた本でもある。未読の方は是非是非。
 その他では、平松洋子『買えない味』がかなり良かった。名文。荒木経惟『センチメンタルな旅・冬の旅』は昔の作品だが、泣いたので。写真で泣くとは思わなかった。
 マンガではよしながふみ『大奥』林田球ドロヘドロに出合えて良かったです。