不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

二月一九日、うまいものだけ

 今日こそ居酒屋でメシが喰いたかったので昼になるや目当ての店に電話して予約、これを軸に今日の予定を考える。昼は軽くしようと台湾鶏排を公園のベンチで食べる。ゴミをまとめようと鶏排が入っていたビニール袋を出そうとしたら、ない。外に出しっぱなしだったので風で飛んでしまっだのかと思ったが、それほど強い風は吹いていなかったし弱い風ならそのへんにありそうだけど、見当たらない。ベンチの周辺を探したのだがどうにも見つからない。先日のリングルアイビーのように神隠しにあってしまったかと諦めて、そのまま公園を散歩。一休みで入った店で茶を飲んでいたらスイッチが切れるように三十分ほど寝てしまった。今度は隣駅まで歩いて古本屋に寄ってからカラオケで一時間ばかし時間を潰し、メインの居酒屋へ。魚中心の料理で、刺身か始まり、サラダ、カニクリームコロッケ、ハマグリ……うめえうめえとたいらげて〆は焼きおにぎりとハマグリのお吸い物。はー喰った喰ったと時計を見たらまだ十八時、開始が十七時だったし酒を飲まないので早い。遠回りになるがまだ図書館が空いているので寄りつつ帰宅。家で『孤独のグルメ』を見ながらカフェラテ。うまいものだらけの一日。

 昨日宣言した通り昼飯にいま俺が一番うまいと思っているラーメンを喰って幸せいっぱいとなり、しかしそのあと仕事の仕上げの手伝いがあって疲れて帰ったがもう二十一時過ぎ。腹が減ったがガッツリは喰いたくないという我侭な状況のところに、カミさんが買っておいてくれたインスタントの煮麺があったのでそれを喰う、なかなかうまかった。麺だけの一日、三日連続ラーメンの話。

ラーメン

 ラーメンで思い出したが、俺は学生時代はラーメンをそれほど食べていなかった。本当にたまに気に入った店に行っていたくらい。それが変わったのは現カミさんと付き合いだしてからで、彼女はラーメン好きだからとメシの選択肢として加わったのだ。機会が増えればどんなラーメンがあるのか知るし、味の好みも出てきてそこから自分なりに好きなラーメンというものを求め出した。かつてはつけ麺が主だったが今はそうでもない、むしろシンプルな塩や醤油を求めてしまうのは加齢によるものだろうか。「女性が急にマニアックなこと言い出したら、たいてい男の影響」と言って映画評論家が炎上した事があったが、そういう決めつけはいかがなものかと思う半面、身近にいる人間の影響は受けるに決まっているのも確かではある。カミさんは飲まなかったコーヒーを飲み、食べなかったパスタが好きになった。仕事がひと段落し、明日からしばし休息、うまいラーメンでも食べに行こう。

うまいを忘れた

 今日メシ時にある人が「ラーメンのおいしさの上限は知れている。ある程度うまければ、あとは差はない」と言った、その人は桂花ラーメンくらいでしか喰わず他の店はほとんど知らないのによく断言できるものだと思うが、ラーメンのおいしさにそんなに差ができるものかと問われれば確かに難しい気もする。究極の醤油ラーメンを選ぶべく何杯か並んでいたとして選ぶ事ができるか、『美味しんぼ』にラーメンを扱った回がありそうだ、いや間違いなくあるなと検索してみたら38巻が「ラーメン戦争」という一冊だった、ちなみにカレーだと「カレー勝負」でどうやらラーメンの方が物騒らしい。ラーメンだけでなく、うまいものだらけの中で一番うまいものを選べと言われてもできないだろう、最終的には好みで選ぶしかない。シチュエーション次第でもある、「最期の晩餐は何がいい?」という質問があるがその前に何を喰ったのかによる、カレーの次にカレーは嫌だ。高校生くらいの時に、クリスマスに家族で食事に出かけた、忘れもしない新宿駅前にあったキハチイタリアンだった。クリスマス限定ディナーコースを食べて、その時食べたメイン料理があまりにうまくて、いまだにあれほど衝撃を受けた料理はないと思っているのだが、それが一体どんな料理だったのかを全く覚えていない、たぶん鶏肉だったはずだがどんな味付けだったのかは少しも記憶に残っていない。確かそのあとすぐにこの店は閉店、もう二度とこの料理に出会う機会はなくなってしまった。他のキハチイタリアンの店でその料理があって食べたとしても思い出せないし、そんな衝撃は受けないだろう。うまかった事と全て忘れてしまった事だけを覚えている。

字が小さい

 他の仕事に比べてとまず書いてみたがいまの仕事以外はバイトの焼き鳥屋しか知らないので比べようがないのだが、しかしおそらく比較的手で字を書く機会が多い仕事だ。そして俺の書いた字を見て上司はいつも「汚いというより、小さい。コショコショっと書くから読み難くなるんだ。もっとデカく書けよ」と言い、言われると意識して大きくなるがまたすぐに戻る。これはガキの頃からでノートのマス目にも小さく書いていて、母親に「マスいっぱいに書きなさい」とよく言われていた。これは自信のなさの表れだろうか、小心者だしと思ったが、そうはいっても声も態度もデカいといえばデカいので違うか。線が歪なのも影響しているのかもしれない、俺の描く絵の線はどれも歪だ、性根が歪だからか、これには否定材料はない。

二月一四日、チョコは食べていない

 昨夜の地震はちょうど帰りの電車が駅につくタイミングで起きた。だから揺れた事はわからなかったし、電車が緊急停止したわけでもないのでしばらく気づかなかった、スマートフォンがブーブー鳴って気づいた。それでも軽いものだろうと思っていたのだがカミさんから「大丈夫?」とメールが来たり、親父から電話があったりと、どうやら大きく揺れたらしいとその時になってようやくわかった。福島の方が震源と聞き、十年経ったとはいえこれは余震なのではないかと思ったらその通りだったらしい。地球規模でいえば十年は一瞬だ。関東にも来る来ると言われているが、そのうち必ず来るだろう、その時どこで何をしているのだろう。

 今日も今日とて会社で仕事、今日の話は以上終了、異常終了。

 追記:帰ったらカミさんからチョコをいただいた。食べてはいない。

二月一三日、疲れてはいる

 身体は重いが精神的には比較的マシだ、せいぜい休みがほしいなと思う程度、それが精神的にマシな状態と言っていいのかどうかという疑問はあるが、どうにも一、二年前の心身の疲労が異常なものだったのでそれと比較すると断然マシなのだ。それにしてもあの頃はヤバかったと今さらながらゾッとする、よく持ちこたえたものだ。いまだ後遺症が残っている気もするが。昨日残念なラーメンを喰ったカミさんがリベンジをしたいと言うので、最近できた駅前のうまいラーメン屋を開店直後に飛び込んで喰らい、タリーズで茶を飲んでから別れて俺は会社へ。気になっていた案件が無事に進んでいたのでホッとして、あとは引っかかるものはないはずだからとやや気楽な気分で作業をする。ご存じのようにこういう時にトラブルが起きるものだが、と書いておく事で実際に起きた時の心の準備をしておく。