不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

うまいを忘れた

 今日メシ時にある人が「ラーメンのおいしさの上限は知れている。ある程度うまければ、あとは差はない」と言った、その人は桂花ラーメンくらいでしか喰わず他の店はほとんど知らないのによく断言できるものだと思うが、ラーメンのおいしさにそんなに差ができるものかと問われれば確かに難しい気もする。究極の醤油ラーメンを選ぶべく何杯か並んでいたとして選ぶ事ができるか、『美味しんぼ』にラーメンを扱った回がありそうだ、いや間違いなくあるなと検索してみたら38巻が「ラーメン戦争」という一冊だった、ちなみにカレーだと「カレー勝負」でどうやらラーメンの方が物騒らしい。ラーメンだけでなく、うまいものだらけの中で一番うまいものを選べと言われてもできないだろう、最終的には好みで選ぶしかない。シチュエーション次第でもある、「最期の晩餐は何がいい?」という質問があるがその前に何を喰ったのかによる、カレーの次にカレーは嫌だ。高校生くらいの時に、クリスマスに家族で食事に出かけた、忘れもしない新宿駅前にあったキハチイタリアンだった。クリスマス限定ディナーコースを食べて、その時食べたメイン料理があまりにうまくて、いまだにあれほど衝撃を受けた料理はないと思っているのだが、それが一体どんな料理だったのかを全く覚えていない、たぶん鶏肉だったはずだがどんな味付けだったのかは少しも記憶に残っていない。確かそのあとすぐにこの店は閉店、もう二度とこの料理に出会う機会はなくなってしまった。他のキハチイタリアンの店でその料理があって食べたとしても思い出せないし、そんな衝撃は受けないだろう。うまかった事と全て忘れてしまった事だけを覚えている。