不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

その人とバーで

 十年ぶりくらいに会う人を含めて四人で会食した後、その人から「もう一軒いかない?」と誘われたので一緒にずいぶんと室内が暗いバーへ行った。バーもまた何年ぶりだろうか。「彼にノンアルコールカクテルを」と注文してくれて出てきたものはおいしくて二杯も飲んで、「おいしくてたのしいですね」と言ったら、ニッコリ笑った。その人とは気が合ってちょくちょく会っていたのだが、ある時ちょっとしたトラブルが起きてしまい、どちらかが悪いわけではなかったのだけれど、やや距離ができてしまって十年近く経ってしまった。会わない間にその人にも私にも病気やその他様々な事があって、そんな話をしているうちに、お互いに大変だったねと言い合えるように戻れた時間だった。「またね」と笑顔で挨拶をした。次がまた十年空いたとしても、今日があってよかった、そんな夜だった。