不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一二月二九日、温泉、花火

 カミさんの実家に伺う予定だったが故あってなくなり、ぽっかり空いてしまった今日を映画館の〆にするか、日帰り温泉にするか、どちらも命の洗濯だがどうするとカミさんと協議に協議を重ねた結果、選んだのは温泉でした。バスで深大寺に出ると、年末休みに入った事に加えてここは調布、水木しげるの街、ゲゲゲ関連の店があって『鬼太郎誕生』のヒットから人がたくさん来ており、なかなかの人手。といってもどこもかしこも混雑していて身動きとれないわけでない、ほどよい盛況具合。まずは適当に入った蕎麦屋で天ぷらそばをたぐり、丘向こうの温泉へ。こちらもいつもの平日よりは当然人が多いけれど、芋洗い状態ではないので全く問題なし。あちこちの湯にたっぷりゆったりゆっくりと入り、身を清め命を洗濯、溶けるようだ、冬の温泉はいい。再び深大寺に戻り、団子や味噌田楽を喰う、このために昼飯を少なめにしたのだ。ぶらり散策もしてから、バスで吉祥寺に出る。

 喫茶店で一服してから、いつも買う和菓子屋の餅を無事に購入。その他、年末年始用の買い物をいくつかしてから、本年のカレー納めでココイチで夕飯、今年もよく食べた。帰宅、いただきものの苺と紅茶と共に、先日Blu-rayで買い直した北野武監督作品『HANA-BI』を見る。人生を変えた『キッズ・リターン』に次ぐ、人生を決めた一作で、だからこそそう何回も見られず、かなり久々の鑑賞。いまから見れば、やや拙いというより古さがわかる演出や編集ではあるのだが、おそろしいほどの画/絵の強さと乾いた暴力と身勝手な(だけど)愛に、やはりヤラレる。そして何より役者ビートたけしの倦怠、停滞、諦観、虚無を纏った顔と身体がすごすぎる。あんな空気の役者はそういない。初見のカミさんも満足したようで、「お笑い芸人が映画監督をするったって、このレベルがいたら火傷するよ……」との事。傑作だと再確認してから、カミさんと感想などをいろいろ話す。

 今日はずいぶん盛りだくさんで充実の一日だった。