不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一〇月二二日、バーナデット

 十時間は寝なかった。昼飯を食べてから仕事へ行くカミさんを見送り、ぶらぶら散歩してから映画館へ。『バーナデット ママは行方不明』を滑り込みで見る。行き詰まった人物がある事をキッカケにして、ここから遠く離れた場所での自分を探す、なんて話はありきたりと言っていいのだけれど、監督がリチャード・リンクレイター、出演がケイト・ブランシェットビリー・クラダップならと選んでみたが、なかなか爽快な一品でたっぷり楽しんだ。シーンやセリフの裏と表の使い分けが巧妙で退屈することもない。バーナデットとオードリーとの短い会話が最高。あと選曲も。それにしてもケイト・ブランシェットは『TAR』に続いて天才を演じて、それが似合ううえに、二役とも全くタイプが違うのだから恐れ入る、いい俳優だ。劇内で巻き込まれた事件やクルーズ船からの脱走など「それだけで終わらんやろ」「無理あるやろ」と思うポイントもそれなりにあったが、まぉそこまでリアリティは求めなくてもいいかなとも。確かに南極には行くけれど、別に南極の雄大な風景に感動したり気持ちが落ち着いたりするわけでないのがいい、「get your ass back to work」であり、「人生の陳腐さがつらい。だけどささやかなことに、感動する権利は私にある、良くも悪くも」の二つのセリフの映画。ラストの南極基地は以前Tumblrかなんかで見かけた事があるが、かわいいよね、住んでみたい。

 サンマルクカフェで本を読んでいたら、予定より早めに終わるとカミさんからのメールが入る。二人の中間地点で待ち合わせるかと思ったが、身体がやけに重いのでこちらの方まで来てもらう事に。時間までは本屋や古本屋をまわる。合流して夕飯を食べたら、無印良品で炬燵用敷布団を購入して帰る。冬支度が整ってきた。


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