不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

昔はいつで未来は今

 先日会った甥っ子が会話の中で「昔ね」と言うので、それは何年前と聞いたら「一年」と答えたので一年が「昔」なのかと驚いたのだが、十歳に満たない子供からすれば一年は長い、生きた年数で考えれば私の五、六年に匹敵するだろうからそれは確かに昔になろう。歳をとると時間が経つのが早いとはよく言われる事だが、早いのではなくこれまでの積み重ねた年月と比較して一年というタームが短くなるだけなのかもしれない。寿命が今より短かった人たちの一年が長く濃かったのは当然であろう、モーツァルトは三十五歳で亡くなったそうだがそこであれだけの楽曲を残した。翻って自分は、などとはあまり思わないようにしている。思ったところで変わらない。今が一番若いとは使い古された言い回しだがそれは間違いなく、そして私は幸福な事にいまが一番いいと思っている。振り返っても通りすぎた景色があるだけと吉井和哉も歌っている、遠くの方はもはや霞んで見える。