不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

やにわに

 「『やにわに』という言葉が好き」とカミさんがやにわに言うので、その場でやにわにスマートフォンの辞書アプリで検索して、《間をおかず事が起こるさま。いきなりであるさま》とあってやにわに理解した事を、やにわに思い出した。漢字では「矢庭に」、矢庭が矢を射ているその場で、助詞の「に」がつく事で「その場に」「矢場を去らずに」という意味で用いられ、そこから「その場ですぐに事を行うさま」を表すようになったという。『今昔物語』に出てくるそうだが、『今昔物語』の作者(不詳)はこの言葉をどこで知ったのだろう、「この言葉使おうぜ」という瞬間に立ち合ってみたい、いや、小さい範囲ではわりと立ち合っているか。俺は「存外」が好きで、「あしからず」が嫌い。前者は何となく、後者は「申し訳ない」という気持ちが込められているはずだけど、ぞんざいでつっけんどんで、突き放された気分になる。単なる個人的な感想です、あしからず(初めて使った)。そんな事をやにわに計画して、やにわに向かった旅行先の旅館で思うのであった。