- 坪内祐三『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。』(幻戯書房)。シブい。著者がこれを書き残しておきたかった事がよくわかる。
- 荒木優太『貧しい出版者 政治と文学と紙の屑』(フィルム・アート社)。小林多喜二と埴谷雄高との比較文学論でこちらもシブい。咀嚼しきれなかったのでそのうちまた読むかも(年始に古本屋に売ってしまった気もするが)。
- サイモン・クリッチリー『ボウイ――その生と死に』(新曜社。田中純訳)。デヴィッド・ボウイ論ではなく、ボウイが築いてきたアートの概念とは何かを論じている。正直それほどのボウイファンではない俺には理解しきれず。せめて音楽をもっと聞いてから再読したい。訳者の田中純氏のあとがきがいい。
- 青山真治・黒沢清・安井豊・阿部和重・塩田明彦・稲川方人・樋口泰人『ロスト・イン・アメリカ』(デジタルハリウッド出版局)。情報量が濃厚な座談会。黒沢清がいい。この本を受けての(話題に上がっていたので)蓮實重彦『ハリウッド映画史講義』(ちくま学芸文庫)。映画であれ小説であれ、俺はわりとテクスト論(勉強していないので安易にこの言葉を使うのもなんだが)で作品を見る事が多いんだけど、同じ様な蓮實の「画面の中を見ろ」というのは映画史をきちんと踏まえているからこその考えなのだと思ったり。
- モルモット吉田『映画評論・入門!』(洋泉社)。少し前にTwitter上で淀川長治氏の「見た本数は問題ではない。何度も見返すべき作品というものがあって、それを見つけるために本数見る必要があるのだ」という言葉が出回っていたけど(ツイート主からの引用で出典は不明)、映画であれ何であれ、「質か量か」ではなくて、結局は「質と量」(質も量も)なんだよな。
- 作者: 坪内祐三
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