上田岳弘『太陽・惑星』(新潮社)。知らない著者、特に新人の作品はタイトル、装丁、あらすじの他に、ちょっと読んでピンと来るかどうかで読むかどうか判断する。まぁ当たる当たらないは半々なんですが、これは当たりで、おもしろいです。芥川賞候補になった「惑星」よりも、三島賞候補になった「太陽」の方が俺は好き。
空間・時間・発想のスケールの枠を平然とジャンプして次々に飛び越え、細く薄くされど確かに各々を繋いで物語を紡いでいき、それが突き放したような文体とマッチしていた。他の作家名を出すのもなんだが磯崎健一郎みたい。その磯崎と違うのは、どういう形であれ「着地」としているところだろう。それがいいのか悪いのか、評価は分かれそうだけど、俺は別にまとめる事はなかったんじゃないかなぁと思う。彼方へスコーンと行くような傑作を、そのうち書いてほしいし、書くんじゃないかなと期待。
- 作者: 上田岳弘
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/11/27
- メディア: 単行本
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- 作者: 伊藤計劃,円城塔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/11/06
- メディア: 文庫
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