不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

読んだ本から

 戸部田誠『タモリタモリにとって「タモリ」とは何か?』(イースト・プレス。期待に違わず、昨今のタモリ関連本の中でも出色のおもしろさ。雑誌や単行本、特にテレビから丹念に言葉を拾ってきて、それを時には正面から、時には俯瞰して見つめている。タモリって歪な存在で、でも愛されているっているのがまたおもしろい。タモリや芸人、テレビに対して愛と敬意を持っている姿勢もよかった。
 ただ、これだけキチンと見つめていても、タモリという芸人を語るのが難しいんだなとも思った。語る事、すなわち意味をつける事はタモリがもっとも距離を置いていた事であるから、こうやってたくさんのタモリ関連本が出て、「笑っていいとも!」の最終回について言葉を交わす事は実はタモリから離れていっている気もするのだ。ちなみに、俺の拙い分析では、タモリは「意味を持たない」、たけしは「意味を壊す」、さんまは「意味を拒否する」存在だと見ているが、どうでしょう。
 ともあれ、タモリっておもしろいよなぁ。今後とも楽しませてください。

タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?

タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?

 矢崎泰久『人生は喜劇だ 知られざる作家の素顔』(飛鳥新社。いわゆる回想録なのだが、赤裸々というか身も蓋もないというか、金も下半身も気にせず書きまくり。当然ドロドロした所もあるのに妙に軽やかだったり、肯定と否定が平気で混在してしまったりするのが、筆者の編集者としての才能なのかも。人間的には厄介な人なんだろうけどね。五木寛之の反応が気になる。
人生は喜劇だ

人生は喜劇だ