戸部田誠『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』(イースト・プレス)。期待に違わず、昨今のタモリ関連本の中でも出色のおもしろさ。雑誌や単行本、特にテレビから丹念に言葉を拾ってきて、それを時には正面から、時には俯瞰して見つめている。タモリって歪な存在で、でも愛されているっているのがまたおもしろい。タモリや芸人、テレビに対して愛と敬意を持っている姿勢もよかった。
ただ、これだけキチンと見つめていても、タモリという芸人を語るのが難しいんだなとも思った。語る事、すなわち意味をつける事はタモリがもっとも距離を置いていた事であるから、こうやってたくさんのタモリ関連本が出て、「笑っていいとも!」の最終回について言葉を交わす事は実はタモリから離れていっている気もするのだ。ちなみに、俺の拙い分析では、タモリは「意味を持たない」、たけしは「意味を壊す」、さんまは「意味を拒否する」存在だと見ているが、どうでしょう。
ともあれ、タモリっておもしろいよなぁ。今後とも楽しませてください。
- 作者: 戸部田誠(てれびのスキマ)
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 矢崎泰久
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