不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派映画四本日記

 休日のわりには早めに起きて(8時30分)、とっとと着替えて9時に外出。こんな時間でも電車は結構混んでいるんだな。渋谷へ行き、ユーロスペースで映画鑑賞。人が並んでいたので焦ったが、どうやら隣のスクリーンで上映される作品の監督トークがあって、そちら目当ての人ばかりだった。とはいえ、俺が見ようとした作品も、そのあと混んできた。
 まずは『女っ気なし』。バカンスは一瞬で永遠。このタイトルで、あの内容で、さらりと最後にあんなエピソードを入れてきて、でも結末は切なさがあって、にくいね。どっかで聞いた事があるような話だが、抑えたトーンの演出で魅せる。ハゲ散らかしのメタボでも、チャーミング。併映の『遭難者』は『女っ気なし』のプロローグのような作品で、同じく世界で主役になれない淋しさや諦めを携えた男の佇まいが、いろいろ刺激される。どちらも波の音が心地よい。監督はギヨーム・ブラック。ギヨームという字面を見ると、『シニカル・ヒステリー・アワー』に出てきた「ギョギョーム」なるお菓子を思い出す。どうでもいい話ですが。
 見終わって移動してもよかったが、ユーロスペースまであまり来なくなってしまったので、この機会に他の作品も見る。父の秘密。悪意は増幅する。タイトルはややピント外れ。ほとんど動かないカメラの長廻しで緊迫感を作り、画面外で発生している暴力が、見えないだけに苦しく伝わってくる。日常でも箍は普通に外れていく、誰も彼も。最後は少し短絡的ではないかなと思ったが、やはり長廻しがいい。比較としてミヒャエル・ハネケの名前が出てくるようで、たしかに似ているところはあるけれど、追い込み方が少し違う気がする。
 遅めの昼飯を喰ってから電車で新宿に移動。本屋をのぞき、スタバでコーヒー飲んでからシネマート新宿へ行き、R100鑑賞。あまり見る気はなかったのだが、職場で何故か松本人志作品が話題になり、上司から「あれ見てよ、見ていいかどうか教えてくれよ」としつこく言われるので、シネマートに移動したタイミングで見る事にした。唐突に暴力。本作に限らず、松本作品は日常パートがいいのに、肝心のプレイシーンがノイズになっちゃっているのが本当に痛い。松本人志の一人遊びとして、いろいろ読み込めるのはわりとおもしろいのだが、やはり映画になっていないよ。「壊す」のと「逃げる」のは違う事だと、誰か早く教えてあげるべき。真正面から撮ってみてほしい。
 鑑賞後、すぐさまシネマート新宿近くの飲み屋に移動し、半分仕事の飲み会。珍しく参加者がほとんど同世代だったので、仕事相手とはいえ気楽だった。
 帰宅。風呂に入ったら、すっかり眠くなってしまったので、日記は明日にまわし(これは次の日に書いた)、寝る。