不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ボトルネックでスライドギター

 昨晩、Tedeschi Trucks Band at 渋谷公会堂へ行った。誘われてほいほい着いてきたのだが事前知識はほとんどなく、とりあえず現代三大ギタリストの一人デレク・トラックスが(残る二人はジョン・メイヤージョン・フルシアンテ)、「俺の嫁さん、歌うまいだろ? かわいいだろ?」と言ったどうか知らんが、とにかく嫁のスーザン・テデスキと作ったバンドなのはわかっていた。一応レコードは聞いた。
 開演時間ピッタリの19時にステージ暗転、メンバーがふらりと姿を見せて、ゆるりと始まったのだが、いやはやバンドの皆さん芸達者、というかレベルが高すぎる。この中ではそれなりに聞けるスーザンのギターが下手に思える。キーボードとベースは普通。ドラムは主張があまりないけどうまい。なんといってもホーン隊と男声コーラスがすさまじかった。それら全てを凌駕する、あくまで脇で前面には出て来ないのに場を作り上げるデレクのギター。どうなってんだよ、あれ。デレクは足をそろえ、常にスーザンの方を向きながら、ちょっと近寄ったり離れたりと、ほほえましい。
 ジャム・セッションバンドだと思っていたが、ジャムはジャムでも予想より抑制が利いていて、かっちりした仕上がり。自由奔放にグルーヴを作るのではなく、プロフェッショナルに型を作り上げていく感じで、もう少し上がっていくのかと思っていたが、じっくり聞けるこれはこれでたいへんに楽しい。
 計2時間20分、MCや間は少なく、濃密な音楽空間が出来上がっていた。その間、デレクはひと言も話さなかった。

Revelator

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