不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

愛と平和と

 吉井和哉“LOVE&PEACE”を聞いた。シングルまで買うミュージシャンって、少なくなったなぁ……。
 そのうちこんなタイトルの曲を出すんだろうとは思っていたが、いざ目の前に出されると気恥ずかしくなるほど直球なタイトルである。カバーしている曲といい、次のアルバムタイトルが『The Apples』といい、やはりビートルズジョン・レノンを意識しているんだろうか。最近のインタビューは読んでないので、その辺は知らんが、吉井和哉ならいつか辿り着く場所だったとも思う。後だしジャンケンで恐縮だが。
 前作『VOLT』のスコーンッと抜け切ったクリアな音に比べれば、ややくぐもっているように聞こえるのは、楽器演奏を全て自身でやったからだろう。個人的には『VOLT』よりも生々しいサウンドで、好みだ。しかし、クレジットに《All Instrument》とあるが、ドラムも叩いたのだろうか。ツアービデオ『True Mind』で見せた姿からは想像できん。
 ここで歌われている愛と平和は、ちょこっとばかし陳腐に聞こえてしまうほどストレートすぎるが、そこに《おはよう》という日常すぎる一言がフックとなって効いてくる。理想と現実、両方握りしめ、希望を見据えながら、しかし重くならずに音を奏でる。
 カップリングの“リバティーン”も“星のブルース”も、吉井和哉の持っている武器を磨き上げた曲たちで、ある意味「The 吉井和哉」みたいなシングル盤となっている。この先にあるアルバムが、俄然楽しみになってきた。
《オレの唇は 希望のことだけ
 舐め回すのだよ 軽い腰》(“リバティーン”)

LOVE&PEACE

LOVE&PEACE